2009-01-01から1年間の記事一覧

2009年のがっかり

世界3大がっかり(Disappointment)というのがある。シンガポールのマーライオン、コペンハーゲンの人魚姫、ブリュッセルの小便小僧といわれているが、有名な割に実際見ると大したことがないということだろう。これらは皆小ぶりで地味な感じがする点で共通して…

ギャップ・クロージャーを政治にも

外資系企業などではギャップ・クロージャー(Gap closure)という言葉がよく使われる。あるべき姿と現状の差をギャップとし、それを解消することを指している。具体例をあげてみよう。内部統制の徹底という観点から言うと、ある一連の業務で不正やエラーが起こ…

タイガーウッズ騒動

タイガーウッズがスキャンダル報道に巻き込まれている。身から出た錆とは言え、単なる道徳論で片付けられるものではない面がある。金、名声、才能、権力、美貌の2つ以上を持つ男には、多くの女が近づいてくる。品行方正を誇る女性でもタイガーと知り合いにな…

電波腕時計

横浜駅方面で用があったのでついでにデパートに電波腕時計を見に行った。関内にある私の事務所からは2駅なのだがそっちへはあまり行かないので、繁華街ではおのぼりさん状態である。電波腕時計に興味を持ったのは各時計会社の広告の影響だ。わたしなどは極め…

映画'沈まぬ太陽'への疑問(2)

鐘紡の会長であった伊藤淳二氏が当時の総理大臣の要請で日航の会長(当初は副会長)になったのは不可解な人事であった。45歳で鐘紡の社長に就任し、多角化路線で業績を伸ばした伊藤氏は当時脚光を浴びていた経営者であった。また労使協調路線を標榜していた…

映画’沈まぬ太陽’への疑問(1)

映画'沈まぬ太陽'を見た。見終わって何か違和感を覚えた。上手く言えないが話が腑に落ちないという感じである。ヒット作で評判も高いということを聞いていたのでやや期待外れだった。 私は映画の原作であるベストセラーとなった山崎豊子の小説を読んでいない…

エリートの遇し方; 官僚叩きと待遇低下への疑問(2)

前回、キャリア官僚という生き方が魅力がなくなっていることを書いた。その一因は国家のエリートに相応しくない行動をとってきた官僚自身にあることは否定できない。しかし最近の官僚叩きは、その職業そのものの価値を軽視しているようにも思える。日本にお…

エリートの遇し方; 官僚叩きと待遇低下への疑問 (1)

人事の基本は'優秀な人材を獲得して逃さずに育成する’ことである。欧米の企業では人事の基本政策に'Attract and Retain quality persons(employees)'などと明確に書かれているのが普通である。人材マーケットの流動性の高い所では優秀な人材を自社に繋ぎとめ…

1Q84; タイガーをお車に

'1Q84’を読み終えた。いつものように期待を裏切らない面白さだが、今回は小説の内容の話ではない。村上春樹がタイトルに選んだ1984年とはどのような意味を持つ年だったのかを、私のビジネスの経験も含め考えてみたい。前回書いたように加藤和彦がアルバム'V…

加藤和彦死去

加藤和彦が亡くなった。享年62歳。うつ病による自殺だそうだ。私より3歳年上だが、私が高校生の時既にスターだったので、もう少し上の世代のトップランナーだった印象が強い。あふれる才能に恵まれ、実際に成功をし続けた人がうつ病になり、自死を選ぶに至る…

グリーンピアの教訓

グリーンピアは旧厚生省(現厚生労働省)が、所管の特殊法人年金福祉事業団を使って1980年から1988年にかけて建設した13か所の大規模年金保養センターのことである。この事業に年金保険料約1900億円が投じられたといわれたが、2001年に赤字経営により廃止ま…

八ッ場ダムの経済計算

民主党政府が八ッ場ダムの建設中止を表明して以来、これに関する報道が一気に増えたが、そのほとんどがあまりに情緒的であるという印象を受ける。ダム周辺の人々が受けてきた苦労を考えるとその人達への同情は禁じえないが、そこだけに焦点を当てて、冷静な…

「ゴルフマガジン」50周年記念号

シアトルの空港の本屋で「ゴルフマガジン」50周年記念号を買った。A.パーマーの若い頃のトップスィングが表紙になっていて、その余白に過去50年の最高のプレーヤー達、ゴルフコース、レッスン、道具という特集記事がリストされている。中々充実した内容だ…

イチロー vs マツイ(3)

イチローについて書いてきたので最後に松井に触れよう。高校時代から甲子園のスターだった松井は、巨人監督に復帰した長嶋茂雄がくじを引いて交渉権を獲得した結果、1993年に読売ジャイアンツに入団する。1年目の途中から1軍に定着し、その後も周囲の期待に…

イチロー vs マツイ(2)

イチローがMLBで史上初の9年連続200本安打を達成した。'凄いな、やったね’が素直な感想だが、大記録達成への畏敬の念と共にマスコミの大騒ぎにはいつものように辟易する。褒めていれば多くの読者の共感を得られると感じた場合には必要以上かつ無批判に褒め、…

イチロー VS マツイ(1)

イチローがMLBで2000本安打を達成した。この大記録に対して日本のマスコミなどは大騒ぎで称賛一色となり、イチローに対して素朴な疑問や批判もできない雰囲気である。日本の社会が持つある種の怖さと、それ以上にこうした報道姿勢をとり続けるマスコミに対す…

イチローを見に行く

イチローと松井、ずっと比較の対象だったが(今もそうだが)、この1-2年で勝負あったという感じである。それでもわたしは松井派である。日本の野球では50年来の阪神ファンだが、アメリカに行った松井はずっと応援している。ある意味でイチローより好感を…

超高齢ゴルファーとの出会い

8月20日に妻と千葉の鹿野山CCに行った。1番ホ−ルのティグラウンドから少し離れた木陰でストレッチをしているとカートに座ってフェアウェイを見ていた妻が、赤い旗を付けたカートにすごいお年寄りがいるみたいで、とてもゆっくりプレーしているという。私…

日経のTVCMを見て思うこと

テレビ東京で流している日本経済新聞のCMに次のようなものがある。若い男女(ビジネスウーマンとビジネスマン)がタクシーの後部座席に少し離れて座り、それぞれがこれから行うプレゼンを成功させなくては、そのためにあと何か一つでも訴えるものがあればと…

’会社は誰のものか’論は今何処に

一時'会社は誰のものか’という議論、いわゆるコーポレートガバナンス論が流行った。 日本やヨーロッパではステークホルダー論が主流で、アメリカでは当然会社は株主のものだということだった。さらに日本では伊丹敬之氏を代表とする経営学者が'従業員主権論’…

'風の歌を聴け’を読む(2)

前回は何故今までこの本を読まなかったかの(結果としてそうなったというのが実際だが)経緯を書いたので、今回は何故今(正確には本年の5月)この本を読んだのかについてから始めたい。一言でいえば村上春樹をめぐる環境の変化が私にそうさせた。フランツ…

'風の歌を聴け’を読む 

’風の歌を聴け’を読んだ。言うまでもなく村上春樹のデビュー作で、彼はこの作品で1979年の群像新人賞を受賞した。何故30年もたって今更と思われるかもしれないので、今まで読まなかった訳を書いてみたい。1979年時点で私はこの小説の存在を知っていた。何故…

’散る桜、残る桜も散る桜’ 

25年くらい前になると思うが、銀行に勤めていた学生時代の友人がニューヨーク勤務を終え帰国した頃に会ったことがある。どういういきさつか忘れたが、彼が’アメリカ人は本当に馬鹿ばっかりだからな’と話すのを聞いて妙に思った記憶がある。わたしがアメリ…

ポジションが人を創るということ

ポジションが人を創るとはよく言われる。この意味するところは、人は重要なポジションに就いてその責任の重さを感じながら日々の仕事を行い、意思決定をしてゆく過程の中で、そのポジションに相応しい判断力、決断力、さらに言えば物腰や雰囲気を身につけて…

31歳の千葉市長誕生にみるリソースの配分方法

このブログは主に企業で働く方々、そしてご自身で会社を経営されている方々を読み手として想定しています。 要するにビジネスに携わる人たちを応援するつもりで書き、その方々の活動や思索のお役にたてればというのがささやかな願いです。 ブログのタイトル…