この2か月間に何が ・・・(1)

 前回の記事が10月1日なので、2ヶ月近くブログをアップデートしなかった。多分わたしとしては最も長いインターバルになった。いつものように生活していたのだが、ひどい背中の筋肉痛で椅子に座るのが辛くてさぼったというのが本当のところだ。大好きなゴルフとギターもあまり出来なかった。特にギターは少し弾くと筋肉が固まるようになり、1曲弾くたびに立ち上がり背中を伸ばさないと痛みに耐えられなかった。その内、気管支喘息の症状がでたり口内炎が複数できたりと散々の状態で、本当に気が挫けそうになった。人は一つの悩みでは死なない(自殺などしない)が、2つ以上の悩みや悲しみがあると危ないと何かで読んだ記憶があるが、体の痛みも2つ以上重なるとめっきり弱気になってしまう。

 

 その間世の中ではいろんなことが起こっていてどれにも関心があったので、ここであらためて振り返ってみたい。

1.岸田総理が就任後すぐに衆議院の解散を行い総選挙を行った。これは成功し、自民は単独過半数を維持し、立憲民主党は予想に反して大きく議席を減らし枝野代表は辞任した。また何人かの大物議員が落選した。(一部は比例で復活)

 

2.秋篠宮家の眞子さまが小室圭氏と結婚し、記者会見を行った。その後二人はニューヨークへ行きそこで新婚生活を開始した。

 

3.コロナの新規感染者数が激減し、緊急事態宣言も解除された。

 

4.日本大学の理事と大阪の医療法人の理事長が日大の病院建て替え事業に関連し、背任容疑で逮捕された。日大理事長の田中英寿の関与が焦点になっている。

 

5.京王線で無差別テロがあり一人が刃物で刺され重体に、その後犯人はより多くの人を殺傷しようとして車両に放火した。

 

6.東京都議員の木下富美子氏が複数回の無免許運転および当て逃げを隠して当選した。事件発覚後姿を隠し都議会からの辞任要求を拒否していたが、一昨日辞任を表明した。

 

7.最後はまとめて気分の良いニュース。

大谷翔平ア・リーグのMVPを満場一致で獲得。

+それぞれのリーグで1位になったヤクルトとオリックスがCSで勝ち残り、日本シリーズで対決。現在のところヤクルトが2勝1敗でリード。

新庄剛志日本ハム監督に就任。新しい風を吹かせるか期待。

+真鍋淑郎氏がノーベル物理学賞

 

 他にもいろいろとあるし、海外の出来事も多かったが、ここではわたしが興味を持った項目をあげてみた。こうして並べてみるとそれぞれが重要な出来事だが、コロナを除いて過去にも同様のことがあった。そう考えるとどれも目新しいことではない。問題は同じようなことが繰り返されているが、過去に起こった時の議論とか教訓とかが生かされているのか、前より何か対応に進歩はあるのかということだ。わたしには教訓が生かされたとは感じられない。そういう問題意識をもって上記の項目についてわたしの感想を書こうと思う。

 

1.今回の衆議院議員選挙の結果を見ると、有権者は大きな変化を望んでいないのだと感じる。但し現状には問題があるので何らかの改善や浄化が必要だと考えている。一国の顔としては物足りなかった菅前総理が辞任したこと、ハト派の岸田氏は長く権力を保持した安倍元首相と比較すると、政治手法も穏健だろうと思われることもあり大きく票を減らさなかったのではないか。浄化を望む有権者の意思は甘利明平井卓也石原伸晃などの自民党有力議員や小沢一郎などの大物野党議員の落選となって表れた。

 

 それにしてもこの自民に逆風と思われた状況で議席を大きく減らした立憲民主党は問題だと思う。ここの所属議員は何故今回の結果になったのかを真剣に考えないとまずいだろう。要するに国民に期待されていないのだ。立憲民主党の政治姿勢や政策が国民の求めているものとマッチしていないのだと思う。先に書いたよう国民は大きな変化は望んでいない。しかし安倍政権に見られたような、強権的に不都合なことを隠すやり方はやめるべきだと感じている。また米国でトランプ前大統領が煽った国民の分断が格差拡大という形で日本でも起きるのを心配している。

 こうした中で自民党との違いを強調したいのだろうが、現状の変更ばかり訴えるのではなく多くの国民の安心を維持しながら段階的に変化を進める姿勢を見せたほうがいい。政治手法や国民とのコミュニケーション、富の再配分、教育投資で与党とちょっとした違いを出し、それを 上手く訴えるべきだと思う。あれも変えるこれも変えると言い続けると国民は不安を覚えてしまう。いろいろあってもまだ日本は良い国だと多くの国民は感じている。この層を取り込めなくては自民と渡り合えるようにはなれないと思う。 

 

2.眞子さまについては以前にもこのブログで書いたが、少し放っておいてあげたらと思う。せっかく好きな人と一緒になれたのだから。その人が結婚相手としてふさわしくないとか、我々の税金で良い暮らしをするのは許せないとか色んなことが言われているが、こうしたことの結果は眞子さまが受け止めるしかないもので、眞子さまにはそうした覚悟があるように見える。特にTVのニュースショーはひどいものでいたずらに事態を悪化させて視聴率を稼ごうとしているとしか思えない。もういいだろう、十分じゃないかというのがわたしの感想だ。

 この問題を取り上げたいのなら皇室の在り方、そもそも皇室を維持すべきなのか、という点まで踏み込む覚悟をもって番組を作るべきだ。また我々の税金うんぬんをいうなら、皇室問題よりもっと取り上げるべき項目があるはずだ。無駄な公共投資や、国会議員や地方議員の数の問題や、財務省の矢野次官が提起したバラマキ政策など、沢山ある。特に矢野次官が文芸春秋に発表した論稿はバカな政治家が批判していたがとてもまともなものだ。国会議員の選挙だけではなく、地方の首長の選挙でも公約に現金バラマキが目立つ。バラマキをしたいなら税金を使わず自分の金でやれと言いたい。国民の金を自分の金のように言って偉そうに配るなどと言うな。眞子様から少しそれたがテレビも視聴者ももう少し大人になってこの国の将来を議論すべきだと思う。

 

3.コロナの新規感染者数の激減は素晴らしい。日本ではワクチン接種のタイミングが欧米より少し遅かったことが結果としてデルタ株の防御になったとか、徹底したマスクの着用、三密の回避の努力との複合的な効果、など色々と理由が分析されている。外れではないのだろうが、正確なところは専門家にも分からないようだ。(少なくても断定はしていない)この状況を見て、急減の要因も分からないのに偉そうに政策に口を出すなと医療の専門家を批判する人たちがいるが、それを言ってはいけないと思う。菅前首相がエビデンスはないという分科会の議論を盾にコロナ蔓延のリスクを無視してGO-TOキャンペーンに突っ走ったことを思い出させる。欧米の現状を見たら第6波が日本でも起きるリスクは否定できないだろう。緊急事態宣言を解除したからと言ってすぐに経済をフル回転させるのではなく、追加ワクチンの接種を進めながら慎重に経済活動を拡大すべきだと思う。

 

4.日大問題はこの組織がいかに病んでいるかを示している。ここの理事たちには子供のために高い月謝を払って日大に通わせている親たちや、アルバイトをしながら学校に通う学生のことは頭にないのだろう。逮捕された理事は当然辞任だが、理事長までやめるかどうか不明だ。しかし仮に理事長を含め理事全員を変えたとしてもこの大学・学校がまともになるかは疑問だ。組織全体が腐っているからだ。理事の下の部長や課長たちはこれまで上司がやってきたことの中身を知っているし、そのやり方が身についている。上が変わろうと実際に仕事をする人たちが同じなら、また不正は繰り返される。中にはまともな人もいると思うが、悪貨は良貨を駆逐するのだ。ダメな組織は簡単には変わらない。

 ひどい不祥事を起こす企業はトップが変わろうと反省を表明しようと簡単には変わらず過ちを繰り返すのと同じだ。東芝みずほフィナンシャルグループ三菱自動車などがいい例だ。日大はどうしようもないが、何かしないといけないならやはり理事全員を変えて外部から人を入れるしかないと思う。そうとうな見識と勇気と実行力をもつ人が理事長になって、長い時間をかけて組織風土を変えていくしかないと思うが、果たしてそんな人はいるのだろうか。いたとしてもこんな仕事を受けるだろうか。思い切って理事の半分くらいは外国人にするのも効果があると思う。組織の制度的な弱点をつぶして改善するマネジメント・コントロールの知識と経験は外国人ビジネスマンのほうが明らかに勝っている。有能な外国人をスカウトするには高い金を払わなくてはならないが、それでも不正にあふれた日大の現状よりはコストは小さいかもしれない。

 

5.京王線の事件は一種の無差別テロだ。許しがたい犯行だが、これを防ぐのはとても難しい。鉄道会社や警察は何らかの対策を考えるだろうから、それはそれとして進めてもらう。一方でわたしたち乗客は自分の身を守るための行動を心掛ける必要があると思う。と言っても武道などを習得するのではなく、これまでよりもっと注意深くなるということだ。公共交通機関はパブリックなスペースであることを再認識して、携帯ゲームや音楽に没頭するのではなく、同時に周りの状況に気を配る。もし何か不安な感じがしたら、躊躇せずにその場から離れる。こうしたことだけでも最悪の状況を免れる可能性が高まるだろう。

 

6.東京都の木下富美子議員の件については呆れて話すことがないくらいだ。木下氏は辞職を表明したので元議員ということだ。こんなすごい人は中々いないが、これからも同様の問題が起こることもありうるので、法整備を含めて何らかの対策を練っておくことは必要だ。選挙前に起こした不祥事を隠したまま当選してしまう問題については、立候補者については不祥事があった場合選挙前に公表することにする。選挙民がどんな不祥事か知ったうえで投票するのならフェアだし、不祥事が軽微だと判断され候補者の能力があれば当選することもあるだろう。不祥事を隠蔽して当選した場合は無効とする。このくらいは決めておかないといたずらに居座りを許すことになると思う。

 

7番目は楽しい話題なので次回に書きたい。日大や木下元議員のことを書いたらすっかり疲れて背中が痛くなった。