7月もどうにか過ごした;ワクチン、コロナ感染者、オリンピック

 7月23日に2回目のワクチン接種を終えた。みなとみらいの大接種会場でモデルナの接種を受けた。とりあえず少し安心だが、新種のウィルスが増えているので、これからも用心は必要だ。2回目の接種後は副反応が出る確率が大きいと聞いていたので、それなりに心配していた。 妻がその夜に寒気がすると言い出したが、わたしは注射した腕が1回目よりずっと痛かったこと以外は特に問題はなかった。翌朝妻は38度2分の熱が出て辛そうだったが、わたしは36度5分で報道されていたように女性のほうが副反応が強いのかと感じていた。

 

 昼前になるとわたしも寒気を感じ熱を測ると38度3分あった。頭痛にくわえて足の筋肉がひどく痛いのでバファリンプレミアムを飲み寝ることにした。うつらうつらとしていたが熱感と痛みは増すばかりでとても苦しい。午後4時半ころに熱を測ると38度8分になり、まだ上がりそうな感じがしたので、最初の服用から5時間ほど経った頃にもう一度バファリンを飲み少し眠った。夜の8時半頃には38度になりだいぶ楽になった。このあたりの体温の1度の変化はとてもインパクトがあると思った。心配なので寝る前にもう一回バファリンを飲んだ。

 

 翌朝、つまり接種の2日後だが、妻もわたしも熱が37度2分に下がり悪夢のような時は過ぎたが、それでも足の筋肉は痛いし、気怠さが強く何かする気にはなれない。この日は一日こんな感じでダラダラしていたが、夕方には37度6分まで熱が上がった。完全に熱が下がり、筋肉の痛みもなくなったのは翌日、接種の3日後のことだった。

 

 副反応は個人差があり、わたしの場合は聞いている話からは少し回復が遅い気がしたが、体調が元に戻るとそれでおしまいという感じがしてスッキリした安心感があった。これからは若い人たちが受けることになるが、そして若い人も副反応の可能性があるという報告だが、やはり受けたほうがいいと思う。副反応と言ってもつらいのは1日くらいだし、おさまればケロッという感じなので安心にはかえられないと思う。医師でもないわたしには分からないことだが、ワクチンを接種してもコロナとは用心をした付き合いをしないといけない気がする。本当に安心できるのは効果の高い治療薬が出来て流通する時なのだろう。

 

 一方でコロナの感染者数は急上昇している。東京では3日連続で3000人を超し、神奈川でも3日連続で1000人超え、特に30日は1418人の新規感染者が報告された。千葉、埼玉でもひどい状況で、沖縄も最悪の状態だ。各県の数字は過去最悪というだけではなくもっと酷くなることを予感させるものだ。その割には菅首相の会見での発言は危機感に乏しく映った。同席した分科会の尾身会長が必死の訴えをしていたのと比べるとあまりに違う。どう見ても尾身氏の方の話に説得力があり、最高責任者の菅首相は他人事のような感じだった。尾身さんは現状をしっかりと把握し、その改善のために取るべき行動が明確になっていて、信念に基づいて訴えていたのが見ている人の心に響いたのだと思う。菅総理の関心は現状をどうにか乗り切って衆議院選挙、自民党総裁選挙に勝つことのように見えた。コロナ対策は重要だがそれは国民を守るというより、自身の権力基盤を守るためという印象を与えている。本人もそれが分かっているので迫力を持った発言にならない。まあ正直と言えば正直なのだが、一国のリーダーの雰囲気はない。

 

 昨年コロナが拡大している中でGo-to-Travelを実施した時、菅首相は盛んに「Go-to-Travelがコロナ拡大の原因だというエビデンスはないと専門家も言っている」と主張した。確かに科学的に厳密な意味でもエビデンスはないというしかないだろうが、Go-toがそのきっかけとなったのは明白だ。恐らく分科会の委員たちもそうした前提で「エビデンスはないが・・・」と言ったのだろうがそれをうまく利用されたのだと思う。菅氏のスタンスは分科会の意見を冷静に聞いて判断を下すのではなく、都合の良いように解釈して専門家の意見だとして利用するか、気に入らないと無視する。科学的というか知性的というか、そうした基本姿勢が全くないとしか感じられない。(周りの茶坊主たちがそんな入れ知恵をするのかもしれない)なのに「安心安全な形でのオリンピック」などと繰り返すから国民は白けてしまうのだ。今でも人流は減っているなどと根拠不明の発言を続けている。経済を回したい、国家事業のオリンピックを成功させたいのは分かるが、国民を大切にしない国家の繁栄とは何なのだろうか。コロナ感染が増えれば、株価だって下落するのだ。

 

 日本のコロナの現状は専門家たちが危惧した展開になっている。菅氏はそのことをきちっと認めて次の手を打つべきだ。(この期に及んでどんな手があるのか分からないが)身を捨てて対策を考え訴えることしか国民の信頼は得られない。選挙だ総裁選だなどと考えている場合ではないだろう。

 

 いろいろと議論がある中で強行されたオリンピックはそれなりの盛り上がりを見せている。矢張りみんなスポーツが好きなのだし、日本人選手の活躍には胸が躍るのだ。だからこそオリンピックを変な形で利用しようとしてはいけないのだと思う。これまでの結果を見ているとメダル本命と言われた人たちが軒並み負けている反面、新しい競技に出た若い人たちが活躍している。オリンピックのメダルのプレッシャーの凄さを思うと同時に、そうしたものから少し離れている若者たちが力を発揮しているのにたくましさを感じる。日本のスポーツ界もやはりある種の転換期に差し掛かっているようだ。そうした中で柔道の選手たちの活躍には目を見張る。勝つというだけではなく、その勝ち方が見事だし、試合後の態度にも感心する。こんなに凄い柔道チームは初めてなのではないかとさえ思う。恐らく監督の井上康生指導力の結果だと思う。彼の真摯な柔道が今の選手たちにしっかりと伝わっている。指導者の重要さがあらためてはっきりと分かる。オリンピックが始まった以上大きな問題がなく終わってくれるのを祈るばかりだ。