阪神サヨナラ勝ちだ

 昨日(4月3日)阪神がサヨナラ勝ちで中日を破った。巨人から移籍した山本泰寛がランナー1,2塁のチャンスで福からセンターオーバーのヒットを打った。初球を狙った見事なバッティングだったが、陰の立役者はその前にフライでアウトになった糸原だと思う。これまで打率4割をマークして絶好調の糸原は、この時も追い込まれてもファールを連続して打ち粘っていた。福投手はやっとのことで糸原を外野フライに仕留めたが、神経をすり減らしていたように感じた。ホッとして山本に投げた1球目が真ん中低めに行き、打たれたというわけだ。山本は2016年に慶応から巨人に入ったが十分な活躍が出来ずに阪神にトレードされた。守備の人という触れ込みだったが、それだけではないことを見せてくれた。慶応OBの阪神ファンとしてはこんなにうれしいことはない。

 

 プロ野球が始まるとやはり楽しみが増える感じだ。1950年生まれでずっぽりと野球にはまって育った世代としては、サッカーやラグビーもいいがやはり野球だ。今年の日本プロ野球はいろんな話題が満載なので特に楽しみは大きい。阪神ファンとしてはやはり佐藤輝明だ。オープン戦で打ちまくったので興味をもって見ているが、やはりプロの水は甘くなく、公式戦では三振の山を作っている。ホームランももう2本打っているところが長距離打者としての才能を示しているが、現在のところではまだ大成するかどうかは分からない。

 それでも三振かホームランかという感じでブンブン振り回しているのは中々の魅力にあふれている。大リーグから来た助っ人が、初めは日本の野球に慣れずに三振が多くても、その内打ちまくるのではと期待を持たせるが、それと同じものを感じる。日本人の新人で(ベテランでも)こんなに三振を喫しても臆せずにマン振りを続ける選手は見たことがない。今のところは内角を速い球で責められ、追い込まれると沈む球で空振りというのが続いているが、そうした配球と変化球に慣れてきたら楽しみだ。慣れないまま終わってしまう選手も多いが、佐藤はいろんなプレッシャーにも負けないメンタルがあるように思う。 ヤクルトの村上や巨人の岡本と本塁打王を争うようになってくれたらいいのだが。

 

 早稲田から楽天に入った早川投手もすでに勝利投手になった。この選手も本物かもしれない。一方で2019年と2020年の大物新人だった日本ハムの吉田輝星やロッテの佐々木朗希などは中々一軍で活躍できない。大事に育てているのかもしれないが、早川に限らず一流になった投手はみな早いうちに頭角を現している。育て方や起用法を見直すことも必要なのではないか。打者でも日ハムの清宮は伸び悩みだし、中日の根尾は一軍で使われるようになったが線が細い。二人ともこのままでは大丈夫かと心配になるが、まあ阪神の大山の例もあるので5年くらいしないと分からないのかもしれない。

 

 MLBでは大谷が好調で今年はフルに二刀流をやるようだ。日ハムにいた時も体を休めながらだったのが、移動も多くて距離も長いMLBで休みも少なくしての二刀流は心配な気がする。特別な才能があるのは明白だが、活躍しすぎると酷使されて怪我や故障をするリスクが高い。今年、来年くらい二刀流でそこそこの成績を収めたら打者に絞ったほうがいいかもしれない。そのほうが選手生命は長くなるだろうから。

 

 日本も米国も今年は最初から観客を入れてやっている。コロナ感染がまた広まっていて大変だが、今年はぜひ全試合をやりきって欲しい。オリンピックのように全世界から選手や役員が来るわけではないから出来なくはないと思う。それにしても日本の野球選手も相次いで感染している状態は第4波なのは間違いない。東京で毎日1000人を超す新規感染者が出るようになっても、オリンピックをやると言い続けるのだろうか。ワクチンの接種が今年前半に終わるからオリンピックは出来るという説明をしていたと思うが、今年中に全員接種が出来るかどうかわからないのが明らかなのに、止める可能性に言及しないのはどういう理屈なのだろうか。竹やりで戦争に勝つといい続けた日本軍幹部と同じとしか見えない。コロナの東京変異種などが世界中にばらまかれる事態は悪夢だ。