松山、米国PGA4勝目への報道とコメント(1)

 松山が米国PGAツアーで4勝目を挙げた。ウェイスト・マネジメント・フェニックスオープンで2連覇をしたのだ。しかも昨年と同じプレーオフの4番目のホールでの決着だった。レギュラーのラウンドで勝ちを決めるチャンスはあったが、それを惜しくも逃してのプレーオフではウェブ・シンプソンに押され気味だったが、唯一ともいえるチャンスでバーディを取り勝利をした。昨年に続き、見ていても胃が痛くなるような展開だったが、堂々たる試合態度でその強さを印象付けた。

 この勝利がどう伝えられているかと思い、昨日の試合後にPGA.comやオーストラリアのiseekgolfの記事を読んだが、淡々と勝利を伝える記事だけで、松山の勝ちは海外の記者たちにとっても特別なことではないのかと少し拍子抜けがした。しかし今日になると記事も増えて興味深いものも見られたので、その一つを紹介したい。

 PGATour.comのBen Everillという記者のもので「松山がウェイスト・マネジメントでUSPGAにおける4回目の優勝を勝ち取る」というタイトルがついている。’松山が二年連続のプレーオフでタイトルを守ったウェイスト・マネジメント・オープンを見て気付いた5つの点を示そう’と記事を始めている。この5つの点(Five Observations)の次に’深い分析の5点’(Five Insights)というのもあってそれも面白いのだが、ここでは前者に絞って要点を書いてみる。

 5つの点として以下をあげている。
1.松山は勝利者としては稀なタイプ;物事が上手くいかない時でもどうにか解決の方法を見出すといってこの大会でのプレーを紹介している

2.ゴルフは勢いが重要で、過去にも勢いに乗り勝ち続ける例があったことを示している。最近の松山もその一例
3.今年のPGAは松山とジャスティン・トーマスの24歳の二人が圧倒的な力を見せており、その強さは数字に表れている
4.ウェイスト・マネジメント・オープンはPGAの中でも特異なトーナメントで4日間で65万5千人ものギャラリーが来る。これを上手く運営したスタッフは称賛に価する
5.ウェブ・シンプソンはこの二年ほど勝ちがないが、まだ闘争心を秘めた強い選手だということをスコッツデール(今回のゴルフ場)でのプレーで示した

 上記のうち2と3についてもう少し詳しく紹介しよう。2の勢いに乗って勝ち続けた例として当然ながらタイガー・ウッズが挙げられており、さらにジェイソン・デイも紹介されている。タイガーは2006年から7年にかけて出場した7試合ですべて勝ち、1999年から2000年には出場試合6連続勝利、2007年から8年には5連続勝利と最盛期には無類の強さを見せた。現在ワールドランク1位のジェイソン・デイは出場17試合で7勝をあげている。そして松山は最近の9試合で5勝している。彼はワールドランク5位だが上の4人とは僅差である。

 また3については2016年の11月に始まった2016〜17年シーズンのFedExCupポイント(米国PGAのランキング)で松山とトーマスが抜きつ抜かれつの戦いをして他を圧倒している。松山は現時点で1697ポイントでトーマスを83上回って1位にいる。3位のパット・ペレスは858ポイントで大きな差がついている。ちなみに前年のプレーオフシリーズを除いたレギュラー・シーズン一年間で現在の松山のポイントを上回ったのは6選手しかいないそうだ。松山はあと454ポイントで昨年のFedExCup最終戦出場に必要だったポイント到達する。(最終戦に出られるのは30人だけだ)

 上記のように米国のゴルフ記者の記事は事実に基づいて興味深いところを教えてくれる。次回は違った視点から松山の活躍についての記事を見てみたい。