4月5日(日)吉田拓郎を聴く

 昨日は朝から雨模様で気温も低かった。久ぶりに8時過ぎまで寝られて少し疲れがとれたような気分で、朝食をとりながらWOWOWで米国女子ゴルフのメジャー第一戦の‘ANA Inspiration'を見た。宮里藍横峯さくらの上位進出を期待していたのだが二人共スコアを落とし下位に沈んだ。がっかりしてCSのスカイ・Asportsで’ヤマハ・レディースオープン葛城’を見る。前回のTポイント・レディスと同じでこの試合も生中継だ。スカイAで午後1時までやり、その後はBS朝日で中継をする。前回のブログでも述べたが ゴルフも生中継だと緊迫感がまったく違う。前回もプレーオフになる大熱戦だったが今週も3日間トップを走っていた藤本麻子を最終日に渡邊彩香、イ・ボミ、前田陽子が追い上げる面白い展開になっていた。

12時半頃にゴルフに飽きて気まぐれにWOWWOW liveにまわすと吉田拓郎のコンサートをやっていて釘付けになった。テレビばかり見ているなあと言われそうだが、まったくその通りなので弁解の仕様がない。読まなくてはいけない本もあるのだがどうもその気にならない。テレビを見ているとこれが面白いのだから仕方ない。

吉田拓郎のコンサートは昨年7月に東京国際フォーラムでおこなわれたもののようだ。たまたま巡り合った番組だがすっかり魅入られて最後まで見てしまった。何がいいのかと訊かれたら、吉田拓郎だぜ、分かる人には分かるさとしか言えない。わたしは拓郎の大ファンというのではないが、やはり彼はわたしたちの世代のカリスマ的スターでトップランナーである。彼の歌にはわたしたちの世代の多くの人の魂を揺さぶるものがある。でもそれでは話にならないので、ひとつ印象に残った事をあげるとバックバンドの素晴らしさがある。ピア二ストが素晴しくリーダーのようだがギターもとても上手い。どう上手いのかといわれても聴いてみたらというしかないのだが、吉田拓郎とその音楽に対する敬意を持ち彼のパーフォーマンスを引き立てるように演奏している感じがした。だからと言って控えめというのではなく、拓郎が歌っている時は変な邪魔はしないが、イントロと特にエンディングは凝った熱い演奏を見せていた。

バックコーラスも男性3人でバンドを含めメンバー全員が男性でいかにも拓郎のチームという感じでとても良かった。後で調べたところではピアニストは武部聡志という人で松任谷由実のコンサートなどの音楽監督をしている有名人らしい。アンコール曲は「純情」で、バンドとコーラスがリフレインをやっている時に吉田拓郎が客席に深々と頭を下げるところで思わず泣きそうになった。素晴らしくノリノリのアレンジでサビのフレーズが繰り返される中で、すっかり年取った拓郎が(わたしより4つ上の68歳である)観客にそしておそらくバックのミュージシャンに感謝をしている姿は感動的だった。これも調べてわかったことだが、この「純情」は阿久悠が作詞で加藤和彦が作曲だそうだ。数あるヒット曲があり、また作詞作曲家として森進一、梓みちよキャンディーズなどのヒット曲を作ってきた吉田拓郎がアンコールに阿久悠加藤和彦が作った曲を選んだのも興味深い。恐らく日本の歌謡界とポップス界で特別な仕事をしてきたこの二人に対する敬意がいかに大きいか示しているのだろうと思う。とにかく見て、聴いて損はない。拓郎はやっぱり凄いなあと感じさせる第一級のおすすめだ。

 拓郎を堪能したあとでゴルフを見ると藤本が崩れて渡邉、イ・ボミ、前田の争いになっていた。結局渡邉が勝ったがこの若い大型プレーヤーにも早いうちに米国に渡って最高のレベルでの戦いをしてもらいたい。こうした逸材が日本にとどまるようでは決してオリンピックでも上位になど行けないだろう。
 怠惰だが楽しかったテレビ三昧の日曜日だった。