写真で見る関内・伊勢佐木町の風景

 関内の事務所を10月末で閉めて自宅に移したが、本店の住所変更など色々と手続きがあり、銀行や年金事務所などその後も関内地区に行くことがあった。その際に近隣の風景をカメラに収めたのでそのいくつかを紹介して、ブログで3,4回前に書いたこの地区の印象を写真でお見せしようと思う。
 前に書いたように横浜の中心は横浜駅とみなとみらい地区に移っているので、関内は地方都市の官庁街のようだし、伊勢佐木町は下町の商店街の趣だ。この地区の昔の雰囲気を知る者としてはその変化に驚くばかりだ。その様子は発展し続ける東京に比べ田舎感が滲んでいるが、それでも横浜は横浜で心休まる都会の佇まいがある。

 京浜東北線の東側が関内地区で西側が伊勢佐木町だが、関内地区の様子から見ていこう。関内といえば横浜スタジアムだ。昔横浜平和球場といった野球場を大洋ホエールズが横浜に移った際に改装したもので、今は球団名も横浜ベイスターズに変わっている。とても古い球場で設備も昔と大きく変わっていないが、ベイスターズ以外にも高校野球に使われたりして市民に親しまれている。

 わたしの前の事務所からはスタジアムがよく見え、窓越しに撮った写真を二枚ほど。

同じアングルだが、次の写真には首都高速道路横浜公園インターと事務所ビルの下の公園が写っている。高速がない時代には球場を含めこの辺り一帯が大きな公園だった。高速道路により分断された公園は最近整備され、浮浪者もいなくなり近所のマンションの子供たちが遊んだり、仕事中に休憩を取るサラリーマンがボーッとしていたり、学校帰りの女子高生がたむろしたり、マッタリ感充満の場所で、時折仕事中に眺めて楽しんだものだ。

 横浜スタジアム関内駅南口から一分のところで試合がある日は弁当屋が沢山出てごった返していた。関内駅にはこんなディスプレイがある。

この向かいには横浜市役所がある。

交差点を渡るとスタジアムだ。

 市役所から神奈川県庁までの通りはベイスターズ通りと名付けられていてホエールズベイスターズにちなんだものがある。

 関内駅の反対側の出口は北口で、東側に少し歩くと馬車道にぶつかり、そこから線路の西に行くと伊勢佐木町につながる。
馬車道は′恋人も濡れる街角’にも歌われているがどうってことのない商店街だ。


それでも歩いていくと古くておしゃれな建物に出会うあたりが侮れない。次の写真は県立歴史博物館。

その向かいには小さいが眼に止まる大津ビル。オフィスやギャラリーになっているそうだ。

その隣は旧富士銀行で、今は東京芸大の映像研究科がある。

 ここで馬車道は本町通りにぶつかる。本町四丁目の交差点の向こうには旧生糸検査所の建物があり、横浜市役所の第二合同庁舎と印象的なコントラストを見せている。

 本町通りを馬車道から左に行くと桜木町、右に行くと県庁から元町方面に行くがここでは右に行く。
三菱銀行跡は今は高層マンションになっているが、1,2階は昔の面影を残している。


次は神奈川県庁。なかなかの建物である。

神奈川県庁の斜め向かいは開港記念会館。

 このあたりにはまだ多くの古い建物があるが日本大通りから伊勢佐木町の方に戻る。裏道に入るとこんな食堂も。香港かシンガポールにあるような感じだ。

 馬車道入口の方に戻り大きな道路を渡ると伊勢佐木町に至る。

今の伊勢佐木町はこんな感じだ。

昔の野澤屋(その後松坂屋)の建物も残っている。


不二家レストラン有隣堂もまだあるが、わたしが小学校低学年の頃、もう55年以上前だ、わくわくした輝きは全くない。

今人が集まるのはユニクロダイソーブックオフだ。

伊勢佐木町の入口から右に行くと吉田町の通りがある。ここを抜けると野毛、桜木町に通じるが、この吉田町の通り方が、画材屋やレストランがあり落ち着いた感じがする。ここはもっていき方次第では良い通りになると思う。

 以上が関内、伊勢佐木町の雰囲気だ。もちろん横浜には、山下公園、元町、中華街もあるからこの二つの地区を見てこの大都市を語ることはできないものの、わたし個人はこれから頻繁にここに足を運ぶことはないと思う。買い物や食事は横浜駅に行けば良いし、絵や音楽はみなとみらいに行けばいいからだ。でもやはり少し寂しく感じる。横浜駅やみなとみらいは便利できれいだが、それだけでなんの歴史や趣を感じさせないからだ。‘ブルーライトヨコハマ’や ‘よこはまたそがれ’に歌われた横浜はそんな場所ではない。やはり伊勢佐木町、関内、山下公園とつながるところだろう。横浜は東京を目指すべきではなく(目指しても無理だが)落ち着いた雰囲気のある都会になるべく、町づくりをして欲しいものだ。