南部アフリカ旅行(1) ケープタウン編

 ケープタウンはアフリカ大陸南端に位置し、人口370万の南アフリカ共和国第二の都市である。空港から高速道路で行くのだが町中心部に近づくにつれて美しい町並みと近代的なビルが広がってくる。空港近くで見た黒人居住区の貧しく汚れたトタン張りの家々の印象が残っているだけに、そのギャップに複雑な思いが湧き上がる。

 しかし全体的に見てとても美しく近代的な町であることは間違いない。最初の印象はシンガポールバンクーバーメルボルンなどと似ているなということで、英国の影響を強く感じた。1652年にオランダ人のヤン・ファン・リーベックがインドに行く東インド会社の船の補給基地を作ったのが始まりだそうだ。その後1800年ころに英国の領地となったという。町が大きくなるにつれフランス人たちも住み始め、現在のワイン産業の隆盛につながったそうだ。だから英国のみならずヨーロッパの影響が強い町である。


1991年にアパルトヘイトが撤廃され、1994年にネルソン・マンデラが大統領になったがケープタウンを見る限りやはり白人が支配している印象を受ける。その街並みが美しいのも白人居住区が美しいからであり、さらに言えば白人が作った町だから美しいとも言える。もしこの地が原住民の居住のままだったらこうした町並みは出来ていなかったと思う。もちろん、アフリカの原住民の人たちが住む街は西欧の町と違った美しさがあるのは確かだし、そこが西洋文明の影響を受けて欧風化し、二つの文化が融合した雰囲気の街を作ることもありうるだろう。しかしわたしたちが訪れ感動する町並みや、ほっとするたたずまいはあくまでも西洋のそれであることは間違いない。この町の魅力は西洋人が現地人を奴隷として働かせることで出来たこと、そうでなかったらこれまでは美しくなかった(西欧的な意味で)ということは残酷で皮肉だが否定できないように思う。

 以下にケープタウンの写真を掲示します。街の風景とカーステンボッシュ植物園、希望城(Castle of Good Hope)です。
バスから見た中心街です。
テーブルマウンテンの駐車場からの風景。

街を見おろすテーブルマウンテンは1000mを超える山。ロープウェイの整備中で残念ながら上まではいけませんでした。

国会議事堂。南アの首都はプレトリアとなっていますが、実際は行政の首都で、立法の首都はケープタウン、司法の首都はブルームフォンテーンだそうです。

市役所。マンデラが刑務所から出所した際にここのバルコニーで演説したそうです。ロンドンのビッグベンのレプリカです。

ウォーターフロントは賑やかなショッピングセンターです

長旅の疲れ(飛行機だけで19) 時間乗った後の疲れ)を癒すため同行の70歳以上のおじさん達3人とウォーターフロントでシーフードの昼食。ビール、ワインと飲んで一人当たり約2000円とリーズナブルでした。

マレー・クウォーターはオランダ統治の頃に連れてこられたマレー人の子孫が住むところで家の壁が綺麗な色で塗られています。

コンスタンシア・ワイナリーは南ア最古のワイナリー。
街の夜景も綺麗です。



 カーステン・ボッシュ植物園は広大な土地に広がった植物園で9000種類の植物が栽培されているそうで世界遺産に指定されています。わたしたちが訪れたひと月後くらいから多くの花が咲き始めとても美しいそうです。私は花は名前もよく分からないのでとりあえず咲いていた花を撮ってきました。
キング・プロテアは南アの国花だそうです。

ピンクッションという花も綺麗でした。



   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
Gooseの一種だそうです。       
ホロホロ鳥。後日食べましたが美味しかったです。



 希望城はオランダの東インド会社総督の居城として1679年に13年かけて完成したもので、五角形の各辺が石垣で囲まれ大砲を備えるなど立派な城として作られています。敷地内には牢獄などもあり、窓のない暗い部屋に閉じ込められたらさぞ怖かったろうと思わせます。また絵や陶器のコレクションも飾られていて見事なものです。



 次は喜望峰を含むケープ半島を紹介します。