グレートオーシャンロードの旅

 メルボルンから目的地のポート・キャンベルまでは海沿いの道を走って260キロだ。何故ポート・キャンベルが目的地かというとそこには「12人の使徒」(The Twelve Apostles)と呼ばれる有名な奇岩群があるからだ。だからここへたどり着くのが目的だが、そこに至る道もグレートオーシャンロードと呼ばれ、世界一美しい道とまで称されるのでそこを走ってみることにした。メルボルンから一時間ほどでジロング(Geelong)という町につきそこから海沿いか内陸の道の二つのコースがあるのだが、内陸コースは三角形の長い1辺を走る形になるので時間の節約になるので、行きは海沿いを選択し、帰りは空港まで行って深夜便に乗るために短距離の内陸を使うことにした。

 9時にメルボルンを出発して所々で休憩をし、途中の国立公園内を歩いたりしてポート・キャンベルの10キロほど手前の「12人の使徒」についたのが午後4時くらいだから7時間くらいかかったことになる。実際に走ったのは5時間弱というところだ。この日はあいにくの雨模様で海の景色もどんよりしていて盛り上がりに欠けた。またグレートオーシャンロードそのものもずっと海沿いを走るわけではなく、内陸を走ったりもするので名前とは少し違うなと感じたし、世界一美しい道とは言い過ぎな気がした(晴れた日ならまた感想も少しは違うかもしれないが)。途中にあるいくつかの町、サーフィンで有名なトーキーやローン、アポロベイなども、小さな田舎町という風情でそれほど惹きつけるものを感じなかったが、「12人の使徒」に着くと曇空でも心奪われる景色が現れた。一言で言えばくる価値はあるということだ。

グレートオーシャンロード沿いの海とローン付近の別荘。

アポロベイの街

途中にあるグレート・オトウェイ国立公園では野生のコアラが見られるということで期待していたのだが、わたしの勘違いでそのスポットを通り過ぎてしまい、ここだと思って降りた場所は熱帯雨林で有名なところだった。妻は野生のコアラが見たかったと残念がっていたが、熱帯雨林のウォーキングもオゾンいっぱいでリフレッシュするものでした。

「12人の使徒」には観光客がいっぱいだったが日本人は見かけず中国人が目につきました。この写真は晴天だった翌日の朝に撮ったもの。




動画も少々

一泊したポート・キャンベルはもう少し大きな町かと思ったらものすごい田舎でした。



わたしたちが泊まったロッジも写真だとよく見えるのだが、内装はチャチで無駄に広く値段だけが高かった。

 夕食は近くのアジア風レストランで食べましたが、そこのウェイトレスの一人が日本人の女性でした。ワークホリデイで来ているそうで、日本人に会えて嬉しかったのか向こうから話しかけてきました(初めはわたしたちを中国系の人だと思っていたようでした)。広島出身の可愛い女性でしたが、TV番組の「こんなところに日本人が」を見る感じでした。メルボルンでは沢山の日本人を見かけ、日本料理屋のウェイターをしていたのもワークホリデイで来ていた青年でしたが、こんな僻地のようなところで日本女性に出会い本当に驚き、今時の日本女性は逞しいとあらためて思いました。

 ポートキャンベルから15キロほど西へ行くとピーターボローという町があり、その周辺にも奇岩群があるというので翌朝に行ってみた。写真はピーターボローの海沿いの公園に隣接したゴルフ場。日本ではお目にかからないような英国のリンクス風のゴルフ場で、土曜の朝に多くの人がゴルフを楽しんでいました。

 この周辺の海と奇岩の風景を幾つか。最初はThe Arch(アーチ)と呼ばれるもの。

London Bridge

The Grotto(ほら穴)

Bay of Islands

海の景色。太平洋なのかインド洋なのかはよくわからなかったがとても広い海で、その先にはタスマニア、もっと先には南極があるのだろうかと思わせた。

 昼前に帰途につく。メルボルンタラマリン空港で車を返し夜中の飛行機に乗るという年の割には強行軍。前述したように内陸のルートをとり、途中のコラック(Colac)という町まで一気に行きます。周りの風景の九割くらいは牧場で、広大な土地に牛(これがほとんど)、馬、羊などがパラパラと見える。その広さに妻も「これだけいたらオージービーフには勝てないわね」と思わず呟いていました。道路沿いの場所に牛が集まっていたのを見て思わず写真を撮った。別に集会をしていたわけでもなさそうで、なぜ集まっていたのかは不明でした。

 1時間ちょっとでコラックに着く。海沿いの町よりずっと大きく賑やかで、マクドナルドで昼食。

大きな湖に面しているが水が枯れていて、その隣の植物園を見る。田舎町の植物園にしては立派で、広いせいか車で走ることも許されている。


 その後高速に入りジロングを経て、PA休憩をとったりして空港に。海沿いを走るより1時間半くらい短いので敢えてグレートオーシャンロードを走らずに一気にポートキャンベルに向かうのも手だと思った。二日で550キロくらい走ったので流石に疲れた。

 最後に10日間1,000キロ近く一緒に走ったトヨタ・カムリの写真を。過去にも二回オーストラリアでカムリを借りたが、今回のは新しい車で快適だった。この車の凄いのはトランクにスーツケース二つ、ゴルフバッグ二つが軽く入ることだ。わたしが日本で乗っているレクサスISはスポーツ寄りに振ってあるためかゴルフバッグ3個も厳しい。その前に乗っていたGSでも車体は大きいがトランクにはゴルフバッグ3個がやっとだった。さらにスーツケースなんてとんでもない。その点カムリはえらい。車内も広く動力も十分で運転しやすい。米国では最も売れている車として有名だが確かにその価値はあると感じた。とてもリライアブルな家族のような車だ。
 日本ではもう一つ人気がないのがよく分からない。多分クラウンやマーク2の仕様を好む人が多いのだろう。ドイツ車やレクサスに乗る人の多くはクラウンやマーク2の運転フィーリングは好まないだろうが、実用車としてのカムリはきっと好きだと思う。そんな車だ。