最新ニュース;稀勢の里、北朝鮮

 稀勢の里が今日(千秋楽)から休場することになった。前日の取組で右足親指を痛めたためだそうだ。先場所は両横綱を倒して13勝を挙げ、今場所は綱取りと言われたが、残念ながらというか予想通りというか、期待は裏切られた。このへんが彼らしいといえば彼らしい。

 今場所の相撲を見ていると初日から緊張しているのがTVからもわかった。何がおかしいと言って立ち会いができないのである。相手の動きに合わせて立てずに待ったを繰り返す。そうしている内に益々緊張して力を出せない。見ていて気の毒なほどだった。こんなにプレッシャーに弱くては横綱は無理だろうと思わざるを得ない。横綱に求められるのは相撲の力とそれと同じくらいの精神力だからだ。稀勢の里には後者が十分には備わっていないようだ。昨年の12月の当ブログでプロゴルファーの宮里優作の初優勝について触れた時に、次は同じ境遇の稀勢の里の優勝を期待すると書いたが、それも無理なようだ。横綱を期待しないで見ていたほうが彼も実力を発揮できるのではないか。
 一方遠藤の活躍は目覚しい。もう時代は移りかけているとさえ感じる。遠藤は明らかに強い精神力を持つ成熟した大人を感じさせる。何よりも四股を踏む姿が美しい。あんなに美しい四股は貴乃花以来だと思う。白鵬のあとは一気に彼まで来るかもしれない。


 話は変わって北朝鮮だ。金正恩が叔父であり、国のナンバー2の張成沢氏を処刑した知らせにも驚いたが、今日のニュースでは張氏の親族全員が処刑されていたことを伝えている。張氏の姉とその夫(キューバ大使)、おい(マレーシア大使)の妻と子供など張氏の直接の親族全員が処刑されたそうだ。その中には子供や幼い孫も含まれているという。

 北朝鮮に関しては、これまでもひどいとは思っていたが他国の国内問題だから仕方ないかとある種のあきらめを持っていた。だがここまで来るとどうにかできないのかと考えてしまう。金正日の時よりも悪くなっているようだし、それが改善するとも思えない。むしろ国内の締めつけという点では悪化するのではと感じてしまう。このまま放置すると金正恩に疎まれた人が一族もろとも処刑されることが今後ともに続くだろう。
 一昔前なら英米のスパイが暗躍して、北の反政府勢力(いればの話だが)と手を組んで政府の転覆を図るところだろうが、英米も今やそんな余裕はない。中国はどうかといえば金正恩への不信はあっても、北を自国側に置いておきたいのは変わらないから、慎重に対処するだろう。そうなると今の体制はなんやかや言っても維持されることになる。犠牲になり続けるのは北の普通の人たちだ。

 金正恩を放置して良いと考える人はほとんどいないのに強硬な手段を取れないのは、北朝鮮が何をするかわからないからである。しかも核も保有している。軍事ゲームや外交ゲームの前提には相手がそれなりに賢いという認識がある。こう押せばこう返してくる、ここまでやるとこうした反発をするが、あそこまでのことはやらないといった予測が立つからゲームになるのである。しかし相手がそうした認識や知性を持っていないとゲームは極めて危険なものになる。腕っ節の強い素人がプロレスの技を掛け合うようなものだ。

 北朝鮮に対してなにかしようとするならこうしたリスクを考えなくてはいけない。そのリスクと北の人権がますます侵されるマイナスをどう評価するのかという議論だが、マイナスが上回ることがはっきりしていたのではないか。また何もしない選択をしても、北が(金正恩が)武力を行使する危険は消えない。そうならここは立場を超えて関係国が話し合い、強硬な手段も視野に入れて対策を打つべきだろう。事態の改善に関する日中韓米ロの国々の責任は大きいと思う。