2014年1月安倍氏、細川氏、ソニーオープン

 2014年ももう2週間が過ぎた。年を取ると本当に時間が経つのが早い。新年のE−カードに'この4月で64歳になる。残りの年数を意識せざるを得ない’といったことを書いたら、シンガポールに住むカナダ人から゜俺はもう65だが、まだバシバシ仕事しているぞ。40代より元気な位だ’との激励と叱咤の返事をもらった。実際気の持ちようは重要なので、今年も自分なりの目標を持ってそれが実現するように努力しようと思う。

 安倍総理は1月からアフリカ諸国を訪問していて、主に経済的結びつきを強固にして日本経済の復活を目指そうとしている。首相が色々な国と積極的に外交を行うのはよいことだし適切にやっていると感じるが、中韓を相手にすると何故冷静さを欠いて視野の狭い言動を取ってしまうのだろうか。一つには中国の挑発的行為や韓国のヒステリックで一方的な批判があるのだろう。しかしそんな原因だけではなく、こうした問題になると安倍氏にはアドレナリンがわいてきてしまうのではないか。いわゆるタフガイ・イメージの形成願望だ。

 政治家には男性俳優と同じようにタフガイ・イメージが必要なのは事実で、それがイメージアップや支持率に影響を与える。同時に多くの男性政治家自身がタフガイであることに、またはそう言われることに非常に強いこだわりを持っているようだ。何故タフな男だと見られたいのかを考えると根底に何かのコンプレックスがあるのではと疑ってしまう。本当は精神的に強くないのに、ないからこそ、強く見せたいのではないかと感じてしまうからだ。わたしの偏見かもしれないが、米国のブッシュ前大統領などはまったくそんな感じがする。しなくても良い戦争をしたのは強い大統領を演出するためだったのではと思うからだ。彼を無批判に支持した小泉純一郎にも同じものを感じる。あまり勇ましい振りをする連中は信用しない方がよいというのがわたしの信条だ。


 前回のブログで東京都知事選にも’一寸先は闇゜のようなサプライズがあれば面白いと書いたが、舛添氏の立候補に続いて細川元首相も立候補するという。細川氏の総理時代の印象はとてもオシャレでダンディだったというものだ。サミットの時でも他国の首脳よりよほど洗練されていた。しかしそれだけで何をしたかったのか、何をしたのかまったく記憶がない。ただ担ぎあげられて総理になり、嫌になって辞めたというだけのような気がする。今回は何か違うのだろうか。自民独走の現状に我慢がならないがそれを阻止する力もないといった連中が、もしかしたらとの思いから担ぎあげようとしているとしか考えられない。気まぐれな選挙民は小泉純一郎が応援したりすると票を入れるのだろうか。細川氏が実際何をするのか、何が出来るのかは投票の際の判断材料にはならないのだろうか。


 話は代わってソニーオープンだ。松山英樹の欠場、石川遼の予選落ちと日本のスポンサーにはがっかりする展開だったろうが、試合そのものは1,2打差に多くの選手が入る混戦で面白かった。また谷原秀人今田竜二の健闘も光っていた。他の日本人選手は武藤が3日目まででカット、池田、川村は一打差で予選落ちと惜しい結果だった。

 こう見るとこうした(そんなに長くない)コースでは日本人選手も決して見劣りはしないと感じた。もう少し調子が上がっていれば、そしてもう少し運が良ければ予選を通って上位に食い込むチャンスがあったろうと思う。実際、池田や川村のスコアは日本の大会なら楽勝に予選を通ったレベルだ。しかしUSPGAは選手層が厚く、一打差に多くの選手がひしめきあうから、ちょっとしたミスをすると命取りになり、予選も通らない。タイガーやミケルソンなどのトップレベルの選手がまだ参戦していない状況でこれなのだ。ここでシードを取ることがいかに大変か分かる。

 一方で日本のツアーは、それなりに厳しい競争はあっても、やはり楽だといえるだろう。そこそこの成績を取っていれば可なりの収入は得られるし、名前も売れる。有名になれば世間もちやほやする。選手にとっては居心地がよい場所だ。しかし日本の男子ツアーは毎年試合数が減って、ピークの半分以下になっている。スター選手の不在とレベルの低さがその原因だと言われているが、今年も松山、石川の米国参戦で回復の見込みは薄い。もっと強い選手が出ればよいのだが、強いことを証明する場は日本ではないというのがジレンマだ。

 もっと沢山の選手が米国かヨーロッパのツアーに行って活躍するようにならないと日本のプロゴルフのレベルは上がらない。そうすると一時的には一層日本のツアーの人気は落ちる。しかしこれを避けては通れないと思う。海外で活躍する選手が増えて、その選手達がいくつかの日本大会にも出場することで日本のツアーの人気とレベルを上げるしかないのだ。今の松山、石川クラスが10-20人くらいいれば、誰かかスポットで日本でプレーする機会が増えてツアーのレベルが上がる。そうすれば海外の強い選手の参加も増え、トーナメントの格も上がる。スポンサーも戻り賞金も高くなる。こうした好循環を目指すべきだ。今のままだと、テニスやバスケット、ラグビーのようになって、日本で強くても何の意味もなくなってしまう。すそ野が広い野球やサッカーでもそうした傾向がある。ゴルフも今が正念場だ。

 日本のプロゴルファーで才能とやる気がある選手はどんどん海外に出るべきだ。一方で当分の間は日本のトーナメントは一部の大きな大会を除き、賞金を半分程度にしてスポンサーを募り試合数を増やすべきだろう。それが難しいならアジアやヨーロッパとの共同開催を増やし、競争を激しくして試合の質をあげるべきだ。このままでは駄目になるというのがこれほどはっきりしているのは珍しい。ここで手を打たないのは落ち目になっている企業に対して、なにもせずに倒産させるようなものだ。ゴルフファンとしての強い願望だが、日本のゴルフ界にそんなリーダーシップを持った人間はいるのだろうか。