年の始めのためしとて

 新年になると思いだす童謡である。1950年生まれの私はこの歌をうたった記憶はあまりないのだが、いつも思い出すのはこの歌詞とメロディがとても素晴らしいからではないかと思う。歌詞は次のとおりである。

 '年の初めの例(ためし)とて、終わりなき世のめでたさを、松竹立てて門ごとに、祝う今日こそ楽しけれ’

 書いているとメロディが浮かび、楽しくなる歌だ。今日のように株価が290円も上がるとめでたさもひとしおだ。こんな替え歌も唄えそうだ。

 '年の初めの例(ためし)とて、大発会のめでたさを、株価上った銘柄で、祝う今日こそ楽しけれ’ 

 大発会はお祝い気分からたいてい株価が上がるものだが、今年は昨年12月から急速な回復をした上に、今後一層の上昇が期待できるだけに気分が違う感じだ。しかし、雑誌などで目標は15000円だとか20000円だとか言っているが、こういう時こそ慎重になるべきだ。雑誌などは売るために景気の良い記事を載せるのだから、話半分か3分の1くらいに聞いておいた方が良い。評論家やエコノミストも株価が上がった方が商売になるので、景気の良いことを書くのだ。信用してはいけない。

 高値で掴んだものをナンピン買いしたりして、既に相当数の株を持っている人はもう売り時を考えておいた方が良い。それはそんなに先ではないと思う。これから参入しようとする人は大もうけを狙わず、確実に地道な利益を確定すべきだ。ちりも積もれば山となると考えて売り買いをするに限る。こういう時期には必ず'わたしはこんなに儲けた'などと言う輩や記事で出るものだが、そんなのに惑わされてはいけない。カジノだって儲ける人もいるし、宝くじを当てる人もいる。例外はどこにでもあるが、それを信じてはいけない。

 前者に当たるわたし個人としては、1月末か2月には売り時が来ると思っている。もちろんその後も株価が上がり続ける可能性を否定はしないが、その反対もある。利益確定をしておいた方が良いと思う。売って初めて利益が実現するのだから。皆さんも自分の勘に頼るしかないが、無理をしないことです。


 話は変わるが、昨年末にゴルフのドライバーを買い替えた。前のは2年半くらい使ったが、別に不満があったわけではない。それどころかそのドライバーはわたしが今まで使った中でも、初めて打った時からしっくりきた数少ないクラブで、お気に入りなのだ。'じゃあ何で替えるのだ'と言われそうだが、これが自分でもよく分からない。強いて言えば'飽きた'ということだろう。なんでこうなるのか心理学の専門家にでも解説してもらいたい。人間には、もちろん全員とは言わないがある一定の比率で、何かにとても飽きやすいような人がいる気がする。

 わたしなどはいろんなことをやるのが好きで、仕事などは一生懸命する方だが、ある程度成果が出るとすぐに興味が小さくなってしまう。良く同じ会社に34年も勤められた思うが、生活がかかっていたのと、飽きそうになる頃に次の仕事を与えられたので続いたのだと思う。退職後も大したことはないが、いろんな仕事をする機会があり、それなりにどれも面白く感じるが、ある程度やるともういいかという気持ちになる。

 だからゴルフクラブもそうなのかなと思ってしまう。あんなにきれいで人柄の良い奥さんをもらった男が浮気をするのは何故かという疑問が出ることがあるが、これも同じことなのだろうか。まあ奥さんを変えるのは大ごとで大変だが、ゴルフクラブを替えるのはずっと簡単だ。しかし飽きっぽいわたしでもあまり変えようと思わないものも多く、物による行動の違いはなんなのだろうと思う。ゴルフクラブ以外では鞄が好きで良く買ってしまう。買い物に行っても、新しいカバンを見るといいなあと思ってしまうが、良く考えると同じようなものを持っているのだ。こう考えると人間とはある面では全く論理的ではなく、また成長しないものだと感じる。この辺りのことについて詳しい人がいたら教えて欲しいものだ。

 正月から、いや正月だからこそ、とりとめのない内容になってしまったが、今年も健康で楽しくやれたら良いとつくづく思う。仕事でも遊びでも個人的な目標をたてるのだが、まず何より毎日の生活を健康で楽しくやることが基本だ。60歳を過ぎると残りの年月を考えるようになる。いつまで株の値段を気にして、ゴルフのスコアに一喜一憂出来るのか分からないが、少しでも長く続けたいものだ。このブログもそんな気持ちで続けてゆきたい。