ペブルビーチ雑感

ペブルビーチ、サンフランシスコゴルフツアーから帰ってきた。ペブルビーチで2ラウンド、1日空けてサンフランシスコで2ラウンドというスケジュールだったが、4人全員無事にプレーし帰還した。色々な思いの詰まった、濃縮した1週間だったと思う。

 まずスコアから言うと、これは全く駄目で4ラウンド平均104と、平均目標91を10以上オーバーし、申告スコアからの乖離に従って罰金を払うHonest Johnという遊びで独り負けとなった。何が悪かったのかというと、まずパットが散々で平均41で普段より6パット多かった。ショットそのものは普段通りで、わたしはまずまずだと思っていたが何せスコアにならなかった。バンカーにもよく入ったうえ、そのうち何回かはバンカー内のはじに止まり、グリーンと反対の方向に出す羽目になった。我々クラスの技量のゴルファーだとアンラッキ−が続くと、それをうまくやり過ごして幸運を待つという精神的、技術的な強さがないので、大たたきとなる。年に何回か起る大不調がこの週やってきたという感じだった。

長年のライバルであるK氏はハンディ16だが、ぺブルビ−チを88で回りハンディ後でパープレーだったのが、わたしに一層の情けなさを与えた。とくに彼はバックナインで2バーディをとり、トーナメントで必ず映る18番のパー5をバーディで上がった時は、見ていた観光客から歓声が上がったほどだった。この一年ほど用がない日は毎日練習場に通ったというK氏の努力と執念が実った瞬間だったと感じた。


 ペブルビーチはサンフランシスコから2時間半ほどのモントレー半島にある、とても豪華なゴルフリゾートだ。今回我々は2泊3日で滞在し、4つあるコースのうちペブルビーチ・ゴルフリンクスとスパイグラスヒル・ゴルフコースでプレーした。ホテルのフロントを兼ねるクラブハウスにはレストランがあり、宿泊はLodge at Pebble Beachというコテージ風な部屋が集まった小規模な建物が一番ホールの横にいくつかあり、そちらになる。その他にコース内にはきわめて豪華な別荘が沢山あり、いわゆるセレブはそういうところに泊まるのだろう。(スパニッシュベイというコースのほうにもホテルがあるそうだが今回は行かなかった)
キャディはその中の特に立派なヴィラのそばを通った時、これはジーン・ハックマンがかつて持っていて去年サンフランシスコの実業家が8千万ドルで買ったと説明した。考えられない値段である。


 クラブハウスの前には大きなパッティンググリーンがあり、その前にはショップが並んでいるのだが、これがなんというか大規模でショッピング・アーケードといった具合である。我々の1日目は日曜だったせいか、沢山の観光客が訪れていてショップはすごい賑わいだった。


 ティーグラウンドは青、金、白、赤とあり、青はスクラッチプレーヤーかそれに近い人、金はハンディ10前後というので、我々は白を選択した。ペブルビーチは白だと6,116ヤードで我々が普段やるコースと大差ない。パー3などは130ヤード、94ヤード、179ヤ−ド、163ヤードである。全部パーが取れても不思議はないくらいだ。ところがティーグラウンドに立つとそうはいかない。風が微妙に違うし、海に面した風景がしびれさせるし、バンカーがしっかりガードしている。短いパー4なども打ち上げだったり、なかなか一筋縄ではゆかない。自然を生かしたとてもよいレイアウトだと思った。
 
 グリーンは大変小さく、やたらでかいのがアメリカンスタイルだなどと考えていると面食らう。小さいうえに傾斜がきつく、上手く打てた思ったアプローチが止まらない。パッティングラインは上手く読めず、大きく曲がりそうに見えるのが、ほぼ真っすぐなどといわれると混乱する。ここでやる場合はキャディは必須だと思う。費用のこともあり、我々はフォアキャディだけを雇ったが、彼はクラブの世話をしてくれないが、ショットの狙い方、グリーンのスピードやパッティングラインの読みのアドバイスと、バンカーの後始末等をやってくれて十分だった。

スパイグラスヒルにはクラブハウスからシャトルで行く。こちらにも立派なドライビングレンジがあり、各コースごとに300ヤードクラスの練習場があるなど、日本のコースと練習環境の違いは歴然だ。 前日ラウンド後に椅子に座らせ靴をふいてくれるスタッフ(日本では考えられないサービスですが、しっかりチップを払わなくてはいけません)が、明日はスパイグラスだというと難しいぞと脅かした。この日も私はショットはまずまずだったが、スコアは106も叩いた。話せば長いが結果は結果である。

コースは初めの数ホールが、いわゆるデューンズ(dunes)というやつで、フェアウェイの一部や多くが砂地になっている。ティーショットが良ければ問題ないが、これに失敗するとバンカーショットの連続のような感じになる。そして林間コースとなり、その後リンクスとなるなど変化に富んだ面白いコースだ。わたしはペブルビーチと劣らない良いコースだと思った。夢中の2日間だったが、終わってみるとあっけなく、またチャレンジしたいと思わせるコースである。

 遠いしお金もかかるので簡単には言えないが、ゴルフ好きを自認するなら行くべきコースだと思う。私は海外のコースでも沢山プレーしたが、その中にはトーナメントが行われるコースもあったが、ペブルビーチはすべて違うという感じだ。美しく、雄大で、知的で、リッチだ。あのジャック・ニクラウスが'あと一度だけゴルフができるといわれたら、ペブルビーチでやる'と言ったのだから。

 今回カメラの調子が悪く自分ではあまり撮らず、他のメンバーに頼んだのだが、少しあるうちの何枚かを添付します。コースの写真はまた別の時に乗せたいと思う。
写真はクラブハウス、ショップ、パッティンググリーン、ドライビングレンジ、ホテルの部屋の暖炉、そばにある町カーメルのバーです。カーメルはかつてクリント・イーストウッドが市長をしていた、美しい保養地です。 写真をクリックすると大きくなります。