ゴルフから得られる教訓とは

 CNN.comに面白い記事が出ていた。Paul Gittingsという人が書いた'What can you learn from golf?'という記事で、結論は凡庸だが、引用されているコメントが興味深いので紹介したい。

 'ドライバーショットは観客に見せるものだが、パットは金を稼ぐものだ’というのはあまりに有名な言葉だが、これを言ったのはボビー・ロック(Bobby Locke)という南アフリカのプロゴルファーである。彼はこの言葉通りにやり全英オープンを4回も制した。彼は短い間だが、USPGAでも大活躍した伝説のゴルファーで特にパットが上手かったそうだ。この言葉は300ヤード飛ばすドライバーも、3メートルのパットも同じ一打で、プロ選手のような技術を持つ人たちにとっては、パットのほうが難しいことを意味している。

 なぜパットが難しいかというと肉体的な要素とともに心理的な要素が重要な役割を果たすからだ。アメリカの一流のスポーツ心理学者のアラン・ゴールドバーグ博士は'タイガー・ウッズフィル・ミケルソン、パドレイグ・ハリントンのようなトッププロでも、ある時期パットに悩むのは、それが両方の耳の間で起こっていることだからだ'と言っている。パットをするのには特別な身体的な能力はいらない。しかし並はずれた集中力とそれを妨げるものを排除する能力が必要だ。そして最も重要な課題は、結果を考えずに打つことだという。

 ドライバーで200ヤードくらいしか飛ばせないアマチュアゴルファーは、パットがうまくなればもっとスコアが良くなるはずである。良い知らせは'練習しさえすればうまくなる’というのだが、悪い知らせは’練習は物凄く沢山しなくてはならない’ということだ。これができない

物凄く練習をすることは、当たり前のことだがすべての基本で、ダブリン大学のモーラン教授の調査ではパットとかある楽器の達人になるには、10年間で10,000時間の練習が必要だということだ。これをやれば誰でもスポーツの一流選手になれると、卓球のオリンピック選手であるマシュー・サイドはいっている。彼の主張はチャンピオンは生まれつきのものではなく、作られるものだということだ。
ゴールドバーグ博士によるとスーパースターといわれる人たちが一般のスポーツ愛好家と明らかに違うのは、ある課題に一心不乱に取り組む超人的な能力だという。

 パットに戻って言えば、打つときに息を吸い込むと重心にずれが生じるから、息を吐きながら打ったほうがよいそうだ。またはやりのロングパターは、確かにストロークを安定させるなどの効果があるがそれも一時的だという。悩むよりはゲーリー・プレイヤーの言葉を思い出したほうがよい。'練習すればするほど、幸運がやってくる’これがハイ・ハンディキャップのゴルファーへの真実のメッセージだという結論だ。

 そしてゴルフをしない人も含めてこう問いかけている。'あなたはコースの上だろうと外だろうと、目標を達成するために、全身全霊の努力をしているだろうか?’