YouTuberの格闘家

 Netflix加入以来Youtubeにもはまっていることを前々回のブログで書いたが、格闘家の動画が想像以上に面白く最近よく見ている。朝倉未来(みくる)、安保瑠輝也久保優太などの動画サイトを見ることが多い。朝倉未来総合格闘技の選手で、あとの二人はK1の選手だ。それぞれ各競技団体でのチャンピオンや元チャンピオンだが、格闘技をあまり見ないわたしはyoutubeを見るまで知らなかった人たちだ。動画の内容は大体同じで、主にスパーリングの様子(特に違う格闘技の選手を招いての練習は興味深い)と日常生活、それと一般ユーザーとのスパーリングだ。特に最後のジャンルは街で喧嘩自慢の若者に声をかけてジムで練習をするものでとても面白い。これは朝倉選手が始めた企画で他の格闘家もまねしているようだ。

 

 もっとも街で喧嘩自慢に声をかけたのは最初の何回かだけで、人気企画となってからは全国の腕自慢(格闘技練習者)からの申し込みが主体のようだ。前記の3選手は人気格闘家だけにスパーリングをやってみたいという腕自慢が沢山いるからだ。ゴルフの上手いアマチュアは一流ゴルファーとラウンドしてみたいし、野球の経験者ならプロの一流投手の球を打ってみたいというのと同じだろう。

 

 町の喧嘩自慢にも二通りいて、本格的に格闘技など習ったことはないが腕っぷしには自信があって喧嘩をやるというのと、もう一つは上記の腕自慢のように格闘技を習っているとか習ったことがあるとか、地下格闘技の試合に出ているという人たちだ。当然想像できるが前者はスパーリングをやってもまるで話にならないレベルだ。ブンブン腕を振って殴りにかかるがまるで当たらず、1分もやると息が切れてきてボディを軽く殴られると悶絶してしまう。プロとはやはり凄いもので特にチャンピオンなのだからその強さは半端ではない。怪我をさせないように相当手を抜いてやっているのだろうが簡単にノックアウトされてしまう。わたしにはよく分からないが、こうしたまるで素人に対しては10%くらいの力しか出していないように見える。その歴然たる力の差と軽く打たれて見事にひっくり返る様はお笑い芸人の体当たり演技を見ているようで可笑しい。

 

 これに比べて格闘技練習者や地下格闘技の選手などはそれなりに様になった戦いになる。プロの方も手を抜きながらも相手のパンチなど受けないように体を動かす。しかしこうした相手でもプロにパンチを当てることはまず出来ない。そして疲れたところでボディなどを打たれるとダウンしてしまう。やはりプロは30%くらいの力でやっているように見えるので、パンチは強烈なのだがダメージとしては深刻ではないようで倒れてもまたどうにか起き上がって戦う。この辺の根性と戦闘意識はまるで素人の喧嘩自慢とは違うがやっぱり歯が立たないことには変わりがない。

 

 このスパーリング動画の先鞭をつけた朝倉選手はyoutuberとしても有名らしく、Tuber Townというサイトを見ていたら彼の動画サイトには150万人のチャンネル登録があって、youtuberとしての年収が4900万円を超すと書いてあった。ネットの他の記事では格闘技選手として5000万円くらいの収入があるそうで合計で1億円くらいの所得はあるらしい。

 

 わたし個人としては久保優太選手の動画サイト(美人の奥さんと二人で出ていて面白い)が好きなのだが、彼のサイトの人気は朝倉選手と比べてずっと小さいようだ。久保選手はチャンピオンのままK-1を引退してアマチュアボクサーとしてオリンピックを目指すそうだ。東京の次を狙うそうだが、年齢的に30歳台半ばになるだろうから大変だと思う。ただ大きい人なので(k-1ではウェルター級で出ていた)日本人の競争相手も少なく代表にはなれそうな気がする。彼は株投資家としてもやり手で相当な資産を築いたそうだから資金的な心配はないのかもしれない。頑張ってほしい。

 

 その他にも多くの格闘系(ボクシング、空手、柔道等)の動画があるが、ボクシングの竹原慎二氏がなまった素人を鍛えるのが中々面白い。しかし前記の3つが群を抜いていると思う。朝倉選手の動画のように多くのファンを持つと凄い収入が得られる(多分視聴回数による広告収入だと思う)ので若い人たちのあこがれの職業としてyoutuberが出てくるのは分かる気がする。

 

 前記のTuber Townによると有名なHikakin氏などは数億の収入があるようだ。前々回のブログで触れたピアニストのハラミちゃんは75万人の登録があり、1700万円くらいの収入があるとなっていて、同じく人気男性ピアニストの’よみぃ’さんは2200万円の収入になっていた。こうなるとyoutuberは立派な一つの職業なのだが、学校などでは教えてくれないどころか、何なのか理解できない教師もいそうな気がする。昔ながらのベーシックな授業、科目も大切だが、世の中の変化を取り入れた授業にしないと若い人たちの興味は保てない。今の学校教育は昔ながらの方法でより良い学校に入るための技術を与えるだけのようだ。 

 

 Youtubeには他にも興味を引く動画がいっぱいできりがない。やはり音楽の動画は充実していて好きなギター演奏を見ているとすぐに時間がたってしまう。ブルースギターの名手といわれる打田十紀夫の演奏も初めて見た。またクラシックピアニストの辻井伸行が世界各地で演奏する動画も思わず見入ってしまう。軽やかで美しいタッチを耳にするたびに日本人として誇りに思い胸が熱くなる。