2011年購入株式その後(6)

 6回目のレポートだが、株式市場は相変わらずで苦戦が続いている。この状況が近い内に改善するとは思えないので、意思決定としては思い切って損切りをするか、このまま持ち続けて回復を待つかである。私の基本姿勢は我慢して持つことだが、今回は状況が異なる。何といってもあの大震災の後である。東北の復興、原発問題の収束の道筋が見えない上、政権与党の政治家の頼りなさだけが繰り返し報道される。悲観的になるなといっても無理だろう。特に東電については債務超過企業になってしまったのだから、ほとんど挽回は期待できない。菅総理や枝野官房長官などは、なんとか東電だけに責任を負わせて逃げきろうという姿勢が明白で、こんな公害企業の株を持っている株主や、金を貸している銀行などはあたかも犯罪者のような口ぶりで、損をしても当然の態度である。しかし安定的な政府系企業として老後の資金を投資した多くの退職者達に対して、損しても当然だといった態度を取るのは正しくはないだろう。東電を安易に潰すようではこの国の経済の安定にはつながらないし、海外の投資家の安心も得られないだろう。政治家としてもう少し広い視野を持った発言をして欲しい。そんな文句を言っても東電の損失はあまりに巨大で、回復するとしても時間がかかるので、これに関しては本当にどこで損切りを考えるかが重要だ。正直言ってわたしにはそのポイントがまるで見えない。

 文句はさておき、いつものように日経平均から見てみよう。
     1月5日   2月18日   3月15日  4月7日   5月22日

株価   10381    10843    8605    9591    9477
変化率   100    104.5     82.9    92.4    91.3

 震災後の急激な落ちから回復した後は9500円辺りを行ったり来たりというところである。

 私の今年投資した株式は以下の通りである。

          買値    3月9日   4月7日  5月22日   増減率

日本コークス   165     160    159    136     -18.0
住友金属     198     203    177    164     -17.2
パナソニック  1173    1087    1019    939     -20.3 
東京電力    1984    2143     340    333     -83.3
東京ガス     360     362     373    344     -4.9

 以上の通りで全体では-31.2%であり、同期間の日経平均の-8.7%に比べると極めて大きなマイナスである。その大きな原因は1984円の買値が333円になった東電によるが、それを除いても約14%のマイナスでやはり良くない。上記のように投資額が大きいパナソニックが-20%なのが誤算である。
 今後のことは冒頭でも述べたが、東電をどのように処分するかが緊急の課題だ。今の政権が続く限り、いつ潰そうという議論が出てもおかしくないからだ。今の政権幹部はそうなった時の経済全体への、そして日本の信用への影響などにはほとんど関心がないようで、大衆の受け狙いでその位の事はやりかねない。もし持ち続けるなら、それは菅政権が倒れてもう少し現実的で聡明な政治家が政権を取った時だろう。株のことは忘れても、それが日本の将来のためだと思うので、そうなって欲しいが、こればかりはどうなるかまるで分からない。後の株については当面保有しようと思っているが、一つの不安材料は米国の株価だ。このところ少し調整が入っているが、如何にも上げが続きすぎているようだ。どこかで大幅な調整があるような気がする。そうなった時にやはり日本の株もつられて下がるのかどうか良く分からないからだ。最近の動きだとNYが大きく下がってもほとんど影響を受けないということも考えられる。全く分からない状況が続いている。私より若い人へのレッスンとしては、株などやらない方が良いということになりそうだが、それではなんの投資でも出来なくなるので、我慢をしていかに損失を小さくしてやり過ごすかということを見せたいと思っている。