’2011購入株式’その後(10);総括

 今年の1月5日に買った株のその後を報告してきたが、今回で一応最後とする。年末までにまだ2週間ほどあるので、その間に動きはあるかもしれないが、市場が現在の低迷状態から脱するとは思えないので、最後の報告としても差支えないだろう。

 1月5日に株式を購入した時は、今年の株式相場がこんな展開になるとは予想だにしなかった。どちらかといえば上げ相場を予測し楽観的であった。私にしては堅い銘柄を選んだのは、上げ相場の中で確実にゲインが得ようとしたからだ。今回の5銘柄はすべて初めて買ったものだったし、特に東電、東京ガスなどは今まで興味を持ったこともなかった銘柄だった。

 ところが3月の大震災、EU経済の混乱からくる世界に広まった信用不安で株価は低迷し、特に福島原発の事故を起こした東電は倒産寸前となった。上記の2社以外にもパナソニック、住金と大型株を狙ったのも全く的が外れ、日経平均を大きく下回る株価の動きで終わった。

        1月5日      12月16日   変化
日経平均     10,361      8,402     -19%

日本コークス    165        100     -40%
住友金属      198        136     -31%
パナソニック    1173       683      -42%
東京電力      1984       573      -71%
東京ガス       360       356      -2%
           註)東電は8月の売却時の価格

 投資合計額では-38%で日経平均の-19%を大きく下回る。東電を除いても-28%で、狙いがいかに的外れだったかを物語っている。特にパナソニック、東電という値嵩株が一番不振だったのがこたえた。パナソニックに限らずソニーも不振だし、日本の電機がこんな状態でよいのだろうかとつくづく思う。これで自動車も同じ状況に陥ったら、もう日本経済は本当にまずいのではないかと感じる。
 
 原因を上げるときりがないような気がするが、明らかなのは日本の政治家(特に民主党の政治家)に経済が分かっている人間がいないのが致命的だということだ。政治家の質は選挙民の質の反映だとすれば、私たちの責任は免れないが、ここまで教養や知性がない政治家が多いと、もうこの国はだめなのかもしれないと思わざるを得ない。そう思うと株価の低迷などは小さな問題に感じるが、株価は現在と日本の将来の経済力を表しているのは事実だから、ないがしろにしてはならない。

 問題がここまできたら、私個人としてはこの株を当面塩漬けにして、戻るのを待つしかないと思っている。経済の復興にどれだけかかるかわからないが、日本の大企業がこのまま駄目になることはないと信じてゆくしかない。それが出来ないなら日本と一緒に沈んでゆくことになるが、この国の運命と一緒に進むのなら不満はないといった心境だ。いつの日か東電を除いた4銘柄で投資額を上回ることをまだ信じている。