北海道リゾート計画

 2泊3日で北海道に行ってきた。札幌のホテルに泊まり、近郊のゴルフ場で3日連続でゴルフしたが、2日目が歩きだったのですっかり疲れ、途中で腰にドスンとした衝撃を感じた。腰が上半身からはずれるような感じになり、下り坂を歩くのが特にきつかった。それでも3日目はキャディとフェアウェイ乗り入れのカートだったので、どうにか3ラウンド完走したが、カートでフェアウェイを走るのがこんなに腰に衝撃を与えるのが、腰を痛めて初めて分かった。
 そんな痛みをこらえてのゴルフだったが、北海道のゴルフ場はゆったりして距離もあり、手入れも行き届いている。キタキツネも見かけた。そしてなによりも首都圏と比べると湿度と温度が低くてとても気持ち良い。料金は千葉や茨城に比べると高いが、こうしたプラス面を考えると仕方ないというところだ。


 魅力あふれる北海道だが、国内の旅行者は頭打ちで海外からの旅行者が増えている。(これは大震災前の話で、震災後は国内、海外を問わず旅行者が減少している)中国、韓国をはじめとするアジアからの旅行者とニセコ辺りのパウダースノーに魅せられたオーストラリアのスキー客がその中心だそうだ。以前テレビの番組でも紹介していたが、香港や中国の人達にとって北海道の風景は穏やかでとても美しいと感じるらしい。要するに北海道が持つ自然の魅力にひかれた海外の旅行者が訪れるので、北海道や日本政府が努力して獲得したお客ではない。(小泉内閣以後、海外からの観光客を増やすことを目指したが、それにより外人旅行者の北海道への訪問がふえたとは思えない)日本側の対応は増加する外国人旅行者を前向きに受け入れようとしたことくらいだ。これもお上のイニシアチブではなく、国内旅行客の頭打ちに困っていた地元の業者たちが、背に腹はかえられず受け入れたというのが本当のところだろう。


 大震災後、経済の低迷が続く今こそもう一度、北海道に国内外の旅行者を呼び戻すことをすべきではないかと思う。わたしは旅行の専門家ではないので、北海道を回るパック旅行のやり方が今のままでよいかどうかは分からない。実際利用したこともない。これからはむしろレンタカーで気ままに回るのが主流になると感じているし、外国人旅行者の間にもそんなニーズが増えてくるような気がする。だからわたしはカーナビや地図、道路標識などを複数の言語で表記すべきだと感じている。

 しかし何よりも思うのは核となる本当のリゾートを作ることだ。海外からの旅行者やアジアやオーストラリアのリゾートに行ったことのある日本人が満足するリゾートだ。日本のゴルフ、スキーリゾートとしては旧のプリンスホテルチェーンが有名だったが、その内容は必ずしも満足できるものではなかった。北海道で言えば、20年ほど前に富良野プリンスに泊まってゴルフしたことがあるが、部屋が小さく、みすぼらしかったのが印象に残っている。富良野だけではなく、水上、軽井沢、阿蘇なども全く同じだった。その意味ではプリンスとして統一した基準を適用していたのかもしれない。問題はその基準が低すぎることだ。もっと広い部屋もあるというのかもしれないが、それはむやみに高く普通の旅行者が何泊も出来るものではない。要するに国際競争力など眼中にないというか、日本人のニーズさえつかんでいなかったのだと思う。これではタイやマレーシア、バリ、オーストラリアなどのリゾートとは比べ物にならない。


 バブル時には話題となったトマムリゾートにも10年ほど前に行った。ここのホテルはプリンスよりも広くてゆったりとした感じだったが、修学旅行の高校生たちがいて(同じ敷地内に幾つものホテルがある)興醒めしたのを覚えている。施設を買った業者は採算を取るために色々な客を取り込むことにしたのだろうが、全体的なリゾートの価値など全く考えない行為に思えた。

 これだけ豊かな自然という強力な武器を持っているのに、休暇をゆっくり過ごそうとする人たちのニーズにこたえる施設を持っていないのだ。わたしならトマムはリゾートの経営に詳しい国際的なホテルチェーン、例えばシェラトン、などに委託する。宮崎のフェニックスことシェラトン・ゴルフリゾートは国内では最高のクオリティだ。トマムはスキーとゴルフが出来る高級リゾートにする。これはトマムを開発した時のねらいであったはずだが、もう一度原点に帰るのだ。
 富良野の旧プリンスホテルは2部屋か3部屋をを一つにして、簡易キッチンを付けコンドミニアムタイプにする。カップルや家族が一週間単位で泊まれるような値段設定にする。


 今のままでは、トマムは施設の持つ良さを生かせないし、富良野は中級ホテルとして生きていくしかない。それではじり貧で、いずれまた行き詰るだろう。ホテルを買い取った業者に新たに大胆な投資をする余裕がないなら(多分そうだと思う)、そんな時こそ政府なり、北海道庁が調整して、こうした施設を生まれ変わらせるのだ。一民間業者の手に余るのは原発だけではない。国、地方自治体が積極的な関与をすることで、地域経済を活性化出来ることを理解して行動して欲しいと思う。菅総理が言うところの戦後最大の危機である大震災を乗り切るには、もう一度日本株式会社になることだ。