変化の始まり

 11月の最終日にこの月初めてのブログを書く。これまでひと月空けたことはなかった。別に病気をしてたわけでも、長い旅行に行っていたわけでもない。普通だった。ゴルフをして、一泊の旅行に行き、ギターを練習していた。本も読んでいたし、よくあるようにちょっとしつこい風邪もひいた。そうした日常でゴルフやギターを上達しようという意欲と行動を考えると中々勤勉にやっていたともいえる。ただブログを書く気が起こらなかったのだ。他の活動をした後に、ブログを書くエネルギーが残っていなかった気がするし、書くことへの飽きもあったような気がする。それでも書くのを止めてしまう気にはならないので、またぼちぼち書き始める。書くことはいっぱいあるのだから。

 最近なんとなく感じるのは世の中がまたは世界が変わりつつあるような気配だ。これまで68年生きてきたが、一度だけ世の中が大きく変わるのかなと感じたことがあった。1989年に当時のソ連ゴルバチョフが出てきて権力を握り共産国ソ連民主化しつつある時に、ドイツのベルリン壁が崩壊して東西ドイツが一つになった時だ。ニュースの映像を見ながらこれで世界は変わるんだと少し興奮したことを覚えている。

 その後NYで9.11事件が起こったがそれがソ連民主化ドイツ統一と関連した出来事とは考えもしなかった。だからソ連やドイツでの大きな変化によって世界が変わったという実感はなかった。自分の身の回りも大きく変わったわけではなかった。これはチョット拍子抜けしたというか、何かおかしいなといった感じを持ったのを記憶している。しかし今振り返るとグローバル化が始まったのはソ連崩壊とドイツ統一の後で、あの二つの事件があって世界のグローバル化が進んでいったと考えられる。資本主義と共産主義の対立が資本主義の勝利に終わり、長く分断されていたドイツが統一されたことは、明らかに世界が一つの経済体制に移行するスタートだったのだ。

 グローバル化が進む中でそれに抵抗する勢力もあらわれた、ソビエト連邦崩壊後のロシアでは民主化が後退し、プーチンのような国家主義者が支持を得て現在に至っている。また経済のグローバル化が文化や価値観の一体化につながることへの抵抗から宗教的、民族的な過激主義者が勢力を伸ばした。この意味では9.11のテロとソ連民主化ベルリンの壁崩壊は無縁とは言えないということだ。あのテロはグローバル化の過程で起こるべくして起こったような気がする。

 その後中国が共産主義体制を維持しながら資本主義経済に参加して富を増やし、国際的な政治的・経済的影響力を強めていくと、その分野で世界における影響力を落とし続けていた米国がこれに反発して自国優先の政策をとり始めた。欧州でもEUでドイツばかりが利益を得ていることにいら立った英国がEU脱退を決めた。要するに30年前に始まった(と見られる)グローバル化は曲がり角に来ているのだ。

 これが今起こっている変化で最も大きいと感じるものだ。訳の分からないトランプ大統領の出現と自国優先の近視眼的な政策、プーチンの強権的で狡猾な外交、英国の混乱、中国の習近平の長期政権への野望等々、これまでの体制の軋みと新しいルールへの移行の気配を感じさせる。今後どうなるかなどはわたしに分かるはずもないが、日本の政治家たちにそうした問題意識が乏しい上に、これに対処する気概も見られないことに危機感を感じる。

 そうした話とは別にわたしの好きなスポーツの世界では新しいスターが生まれているのはとても楽しいことだ。ゴルフでは松山(最近少し不振だが力は十分ある)と女子の畑岡が世界のトップレベルで活躍している。凋落が続く日本の男子ゴルフにも今平、秋吉、星野他の若手が台頭してきたし、これで石川がまた優勝すれば盛り上がると思う。テニスでも錦織に続き、女子の大坂が大活躍だ。野球ではいうまでもなく大谷で来年は打者に専念するがその成績に期待が高まる。西武の菊池も来年はMBLでやるそうで、日本人ではめずらしい左投手として活躍しそうだ。バドミントン、卓球、サッカーでもトップ選手の活躍と若手の台頭が著しい。ボクシングの井上は本当の世界ナンバーワンになって、ラスベガスでメインイベンターになれそうな気がする。マラソンにも有望な選手達が現れてやっと世界と戦えそうだ。こう書いているだけで彼らの活躍に期待が高まってしまう。嫌なことも多いが若いスターたちの頑張りには励まされる。