ポケモンGo

ある学生の提出レポートを読んでいたら「妖怪ウォッチ」のゲームソフトの販売戦略について書いたものがあった。わたしはこの分野には全く疎いのでよく分からないのだが、要するに発売元のバンダイのゲーム作りがとても巧妙で一つを買うと次がまた買いたくなる仕組みになっているらしい。何本もソフトはあるのだが、あるソフトとあるソフトはデータ交換が可能だったり、違うソフトとはキャラクターや物語が連動していたりして、一本だけ持っていても寂しくなって次々買わないと満足できないらしい。マーケティングの授業で取り上げた’顧客との関係の創造と維持’を実地に行っている見本のようなものだという。その学生はレポートの最後にこうした「妖怪ウォッチ」でも売り上げではポケモンには全く敵わないのだと書いていた。ポケモンも名前と顔くらいしか知らないので興味を持って調べてみた。

 するとPokemon-Goというゲームソフトが最近米国やオーストラリア等で発売され話題を呼んでいることが分かった。発売元の任天堂のホームページによると「位置情報を活用することにより、現実世界そのものを舞台として、ポケモンを捕まえたり、交換したり、バトルしたりといった体験をすることのできるゲーム」だそうだ。米国では発売してすぐに大人気となり、部屋にこもりがちだった人たちがこのゲームによって家の外に出て、何時間もキャラクターを探し求めるようになったとある。米国人の肥満解消や子供の建康増進に役立つとまで書かれている。
 CNN.COMには「ポケモンGoはすべてをとりこにする。政治もその中の一つだ」という記事があった。それによるとカリフォルニア選出の民主党議員ジュディ・チュ(Judy Chu)氏がツイッター共和党党員に対して銃規制の法制化を促して次のように書き込んだ。
「だれが他にポケモンGoをやってるの? わたしはDCでスクワートル(ポケモンゼニガメらしい)とピカチュウを見つけたわよ。だけどまだNofly Nobuyに投票する共和党議員を探し続けているわ」

 ここでいうNofly,Nobuyとは超党派議員たちが法制化しようとしている銃規制の案だ。Noflyとは飛行機に乗ることが出来ない人たちのリスト(要するにテロリストまたはその支援者の疑いがある人たち)に入っている人たちのことで、その人たちが銃を買えないようにすることを意味している。銃規制としては不十分だが何もしないよりいいし、銃規制に反対の人たちにも受け入れやすいと言われている。上記のツイッターはこの案に賛成の共和党議員がまだ見つからない、スクワートルとピカチュウを見つけたほど歩き回っているのに、と揶揄しているわけだ。もちろんこれにはすぐに共和党員からの反対のツイートがあったそうだ。これほどポケモンGoは米国を席巻しているという。

 このゲームソフトは日本でも近いうちに発売されるという。暇な退職親父としては買ってみようかなという気がしないでもない。