北欧旅行(6)ノルウェー前編

 日本に帰って3日目だがまだどうも体がすっきりしない。加えて暑いのがこたえる。旅行中はほとんど長袖シャツに綿のセーター、朝晩はウインドブレーカーを着ていた。フィヨルドに行った時などは厚手のシャツにウールのセーターの上にウィンドブレーカーでも寒いくらいだった。最高気温が17-8度は違うようだ。もっとも向こうでも例年とは違う天候のようで、ストックホルムの空港行き特急の中で見た文字ニュースでは、寒くて雨が多いので多くの人が休暇で暖かい所へ行きたがっていると報じていた。

 今回はノルウェー編だが具体的にはオスロとベルゲン、それにベルゲンからいったフィヨルド旅行について書く(量が多いので2回に分けます)。ノルウェーは面積38万平方キロで日本とほぼ同じだ。もっとも地理上人が住める地域はずっと少ないだろう。人口は510万人で日本の20分の1、住める地域は少ないといってもいかにゆったりしているかわかる。首都のオスロは63万人、ベルゲンは2番目の27万人だ。ヘルシンキから飛行機で1時間25分、時差が1時間あるので着く時刻は出発地と25分しか違わない。
 Flytogetという特急で20分でオスロ中央駅につく。ラディソンBluは駅近で徒歩3-4分で便利だ。ラディソンホテルチェーンはヨーロッパでは一流なので、ここも高層で部屋も立派だ。着いたのが10時過ぎだったので荷物だけ預けるつもりだったが、フロントの係りが親切でアーリーチェックインをしてくれて部屋でひと休みできた。朝早く起きたのでとても助かったし、立派な部屋に妻も満足。

 




 地下鉄でムンク美術館に行く。驚いたというかラッキーだったというか、ちょうどムンクゴッホの共同展をやっていたのだ。ここの美術館とアムステルダム美術館が協同でやったもので同じものをアムステルダムでもやったようだ。ムンクというよりゴッホは私の好きな画家で色々なところで見てきたが、これだけまとまったのは初めてだった。13歳ゴッホの方が上だが、同時代を生きた画家二人が似たようなテーマを扱っていた(特に年下のムンクゴッホを意識した絵を書いていたようだ)ので、両方の似た作品を並べて展示してあるのはとても興味深かった。二人共若い頃の写実的な作風が年と共に変わっていくのもよく分かった。平常心を失っていて美術館の前で写真を撮り忘れたので手前の標識とショップで買ったゴッホのカレンダーをお見せします。

 





 





 尚有名なムンクの「叫び」は国立美術館にある(ムンク美術館には同じ構図で小さいものが展示されていた)というので、これを見たいという妻の希望で翌日の昼前に行ったが飛行機の時間を気にしながらだったので見つからず諦めました。

 







 ノルウェーは海に面しているので関連した博物館がいろいろある。その中でフラム号美術館とコンチキ号博物館に行った。街の中心に近い船乗り場からフェリーで行く。フラム号は北極海流の研究のために作られたが、後年アムンゼンが手に入れこれで南極点一番乗りを果たしたので有名だ。全長39mの船でエンジンと帆の両方で進むようだ。よくこれで南極点まで行ったと思う。大変な冒険だったのだろう。


 







 コンチキ号は文化人類学者のヘイエルダールが1947年にペルーからイースター島まで行った時のいかだ船である。これもよくまあやったという感じだ。

 












 フェリーで戻ると埠頭のそばにはオスロの市庁舎がある。1950年に出来た建物だがこれは驚くほど立派なものだ。華美ではないが堅牢で内部は格調高い装飾がなされている。ノーベル平和賞の授賞式はここで行われるそうだ。この数日後にはストックホルムで平和賞以外のノーベル賞の式典をやる市庁舎を見たがオスロの方が印象的だった。日本でも県庁や支庁を立て直したがるがほとんどが同じような建物でもう少し個性があってもいいのではと感じた。





















翌朝は9時前にホテルを出て地下鉄でヴィーゲラン公園に行く。彫刻家グスタフ・ヴィーゲランの名にちなんだこの公園には200を超える彫刻が飾ってある。中でも人気は「怒りんぼう」だ。人魚姫と違いがっかりさせることない可愛さだ。地団駄踏んている仕草がおかしく、ラインで写真を受け取った娘はこれをプロフィールにしたそうだ。