今年の株価はどうなるか?

 こんなタイトルをつけてもわたしが株の予測など出来るはずはないし、予測したところで誰も参考にしないだろう。動物園のゴリラか水族館のペンギンにでも予測させたほうがましだというものだ。何故こんなことを書こうかと思い立ったのかというと、書斎を整理していたら週刊ダイヤモンドの今年の2月8日号(多分1月末に発売?)が出てきたからだ。書斎の整理は宝探しのようなもので、買った記憶がない本が出てきたり、米国の証券会社の米国の支店にある口座の残高通知が出てきたりする。わたしが死んだらもっとすごいものが出てきそうだが、残念ながらそれを見つけるのはわたしではない。

 その週刊ダイヤモンドは株特集で三つのパートからなっており、1)が買っていい株220、2)が買ってはいけない株80、3)がマーケットはどうなる?である。性格の悪い老人としては、専門家の予測の正確さを検討するのはこの上ない楽しみなので、雑誌で推奨している株の現時点での価格をざっと調べてみた。

 1)の買っていい株220は11カテゴリーに分けられる。1は隠れた割安株19、2は成長期待の株21、3は下ブレしにくい株30、4は元本割れしにくい銘柄7、5は株主重視の株50、6は充実の株主優待株16、7はアベノミクスで上ブレ期待の株12、8は外国投資家が狙う株22、9は注目の米国株18、10は著名投資家バフェットの基準で選んだ株5、11はNISAで人気の株20である。よくまあいろんな名目で選んだものだ。米国株を除いた200というと上場会社のざっと10%というところだ。

 専門家がこれだけ選べば大半は予想通り上がっているだろうと思うのだが結果は中々興味深い。まず注意しておかなくてはならないのは、この雑誌で推奨している株の値段は今年の1月22日時点のものだということだ。この日の日経平均は15,820円で今日の終値15,379円より約3%高い。そもそも今年の最高値は1月に記録されたのだ。だから個別の株価も3%下がっていても平均並みということだ。

 上記の220のカテゴリーにはどうかなというのもあるので、1の隠れた割安株19、2の成長期待の株21と、7のアベノミクスで上ブレ期待の12の合計52株の動きを調べて、上がっている、横ばい(3%ダウンまで含める)、下がっているの三つに分けた。結果は以下のとおりである。
 1隠れた割安株19;  上がり6、下がり10、横ばい3
 2成長期待の株21;  上がり9、下がり9、 横ばい3
 3アベノミクス株12;  上がり3、下がり8、 横ばい1
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 合計       52  上がり18 下がり27 横ばい7  

 以上の結果でこれは上がるぞといった株で上がっているのは3分の1、半数以上は下がっているということだ。もちろんこれは全体の株価の動きによるから、これからまだ日経平均が上がっていけば上記の株も上がっていくだろう。しかしそれはほかの株でも同じことだ。大雑把に言って専門家の進める株を買っても、日経平均のようなものを買っても変わりないというのが現在のところだろう。    

 
 さらに2)の買ってはいけない株の中で割高だとみなされた株60のうち、上位の30株を調べてみた。上記と同じに三つに分けた。
 割高の上位30株;  上がり11、下がり19、 横ばい0

割高だから買ってはいかんぞと言っている株のうち3分の1が上がっているのだ。 上記の買うべき株とほとんど同じ動きだ。どっちを買っても結果は同じとなるとまあバカバカしくなるのが普通だ。株をやるなら専門家に意見など聞かずに、自分で調べて気に入った株でも買ったほうがよほど納得がいく。そんな馬鹿なという人は株などやらないことだ。


 最後のパートであるマーケットはどうなるかについても触れておこう。6人のストラテジスト(何という肩書き、日本語では何を意味しているかわからないし、英語では決して通じない表示である)が予測している。今年の日経平均の最高値の予測は1万8000円から2万500円の範囲で、最安値は1万3500円から1万5250円となっている。最安値は外した人が既に4人いることになる。最高値についても4月と5月に達成すると予測したのが一人ずついるから2人はもう外れている。後の4人は12月に1万8000から1万9000の高値達成と予測してるので楽しみだ。もっともこういう場合は12月と予測するのがコツでそれまでなんだかんだと引っ張れるからで数字に信ぴょう性などないと思ったほうが良い。あるとすれば株屋の願望である。この雑誌は取っておいて来年初めにまたチェックしてみよう。