南米旅行(3) ナスカの地上絵とブエノスアイレス、リマ

 南米旅行の最後のハイライトはナスカの地上絵で、それに大都市であるリマとブエノス・アイレスの写真を少し紹介しよう。

 ナスカはリマの南約400キロのところにある。わたし達はバスでパラカスというリゾートに行き、そこで一泊してからピスコという町へ行き、そこから12人乗りの飛行機で行った。2時間ほどのフライトだが実際ナスカの絵の上空を飛ぶのは30分位だろうか。ナスカまで行ってそこで飛行機に乗るのが普通のやり方らしいが、ツアーの日程その他で色々なルートがあるようだ。

 ナスカの地上絵については、飛行機(セスナのような小さいもの)からだとあまりよく見えないとかいわれていたので、あまりエキサイティングではないかもしれないと思っていたのだが、これが中々の迫力でやはり一見に値するものだと感じた。

 ピスコの小さな空港と飛行機の写真。
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コックピットの写真です。パイロットは二人で助手のような兄ちゃんは怪しげな日本語で(それでも大半の日本人の英語より良く通じるものです)地上絵の説明をしてくれます。

 以下が地上絵の写真です。ハチドリ、宇宙人、犬(キツネと書いてある本もあります)の順番です。他にも撮りましたが全体を上手くとれませんでした。

 これを見せるために飛行機はかなり傾きます。そこで先ほどのパイロットの兄ちゃんが、「ほらあの左、羽の下、ハチドリが見えるでしょ。ほらほら、そこそこ、over there. 分かった?」などとやります。反対側の座席の人のために旋回して同じことをまたやります。これがなかなか楽しいのです。

 ナスカそのものは砂漠地帯のようなところで、ピスコからの小一時間の飛行も砂漠のような山岳地帯を飛びます。

 無事に空港へ戻ると以下のような飛行証明書(スペイン語ですが多分Certificate of Flightと書いてあるのだと思います)をくれます。

 こうした地上絵は何のために書かれたかはいまだにはっきりしないそうですが、どう描いたかについてはほぼ意見が一致しているようです。まず書きたい図柄を小さな絵に描く。次にある場所を起点にして紐などを使いコンパスの要領で、小さな絵の比率に合わせて大きな絵を描くというのだそうです。まだ文字が発達していないこの地方で紀元前後から数百年の間にこれが書かれたといのは本当に驚きです。なによりもとても大きいのに(200-300mのものもあります)精密でバランスが良いのに感心しました。

次はリマからブラジルに飛ぶ飛行機から撮ったチチカカ湖の写真です。世界で最も高い地点(3890m)にある湖と言われています。以前テレビで吉川晃司さんがここを訪れたのを放送していましたが、吉川さんはよく高山病にもならず頑張ったと思います。


 次はブエノスアイレスです。アルゼンチンの首都であるこの町は南米のパリとも言われる雰囲気のある街ですが、アルゼンチンの経済が不調なので少し活気がないようでした。しかし新しいローマ法王がアルゼンチンから選ばれたことは多くの人達を元気付けているようで町にも新法王の大きな写真がありました。

 町はヨーロッパそのものと言っても良いほどで、有名な建物を見ると良く分かります。
カソリックの大聖堂はとても荘厳でキリスト教が深く根づいているのが分かります。
 ピンクの建物は大統領府、その次はコロン劇場で世界三大オペラ座と言われているそうです。


町の中央の通りは7月9日通りで世界一幅が広いそうです。わたしも渡りましたが一回の信号では渡りきれませんでした。通りの中央にはオベリスコがあり、ランドマークになっています。

フロリダ通りは人気のショッピングエリアで歩いているだけで楽しくなります。
 
ボカ地区はアルゼンチンタンゴの発祥地ですが、今も芸術家村の雰囲気があります。観光地ですが、絵描きなどもいて自らの絵を売っています。

これ以外でブエノスアイレスで有名なものはレコレータ墓地です。所謂セレブの人達の墓があるところで現在2千くらいあるそうです。一つ一つがとても立派で金がかかっているのに驚かされます。貧しい境遇から大統領夫人にまでなり、映画も作られたエビータの墓もここにあります。

その他にもこんな墓がありました。


つぎはペルーの首都であるリマについて少々。リマは人口700万人を超える大都会でやはりヨーロッパの雰囲気があります。ペルーの経済が発展しているので中々活気があります。朝早く旧市街に行きました。ここにはペルー政庁、市役所、カテドラルなどがあり、それらに囲まれてアルマス広場があります。

朝早いせいか騎兵隊の行進が行われていました。

またモチェ文化の土器等を集めたラファエル・ラルコ・エレラ博物館に行きました。住宅街にある大変綺麗な博物館で紀元前から700年位まで栄えたモチェ文化を紹介しています。ペルーの文化はインカだけではないことが分かって興味深い展示です。


 南米は日本から見て地球の裏側というか、太平洋の東の果てというかとても遠いのだが、簡単には言えない魅力にあふれている。体力が許せばもう一度行きたいと思う。わたし達とは全く違う文化を持った国があり、人がいる。その歴史はわたし達のものより古くて魅力があるとさえ思える。長い歴史のほんの一瞬で経済的な優位性を持っているからと言って偉そうにすることの無意味さを感じさせてくれる。愚かな発言を続ける日本の政治家などにも見て学んでほしいと思うが、彼らにはこうした国や文化や歴史を見ても、それから何かを学ぼうとする能力がないのかもしれない。そんな馬鹿な政治家はほうっておいて、時間と興味がある方は是非行ってみることを勧める。新しい世界を知ることになると言っても言い過ぎではない。