南米旅行(2) インカ帝国

  インカ帝国は15ー16世紀に栄えその後スペインに滅ぼされたが、その首都がクスコであった。クスコは今でも人口40万ほどの大都市で、スペインの雰囲気を持った魅力的な町である。リマから飛行機で1時間半ほどのところにあり、有名なマチュピチュ観光のベースになっている。また世界遺産に指定されている。標高は3400mである。


丘の上から見た町の姿です。

サント・ドミンゴ教会です。インカ帝国の時代には太陽の神殿と言われ、金がふんだんに使われた装飾があったそうですが、スペイン人がすべて略奪した後で上部を教会に建て替えたそうです。土台はあまりに堅牢で壊すことができず、上部分だけを作ったとのこと。アルハンブラ宮殿に似た中庭がありスペインの色が濃い。その後の大地震で教会は崩れ落ちたが土台はびくともせず、インカの石組みの巧みさを示すといわれているそうです。

町の中心にあるのがアルマス広場です。ここはカテドラルと教会にかこまれ、土産物屋やレストランがたくさんあります。わたしたちが行った日はたまたま何かのお祭り(イベント?)が行われていて、クスコ中から集まった中学生がパレードをしていました。クスコだけではなくマチュピチュでもそうですが、子供たちは本当に無邪気で可愛く、見ているだけで楽しくなります。子供たちの輝く瞳を見ていると、幸福は経済的な繁栄に依存しているわけではないというあまりに当たり前の真実を感じてしまいます。


 クスコからバスで峠を超えてオリャンタイボという町に移動します。そこから列車(多分ディーゼルです)に乗ってマチュピチュに行くためです。この峠というのが標高4000mで富士山よりはるかに高いわけです。空と雲をこんなに近く感じたのは初めてです。こんな高いところでも土産物屋があります。
子供がモデルをしていますが色の鮮やかな織物は化繊でアルパカなどの高級な毛は少しくすんでいるとのことです。
高地では水を頻繁に飲むことで高山病の予防をしますが、水はこんなホルダーに入れて持ち歩きます。



 これでやっとマチュピチュです。ここにはペルーレイルという列車で行くのですが、これがなかなか綺麗な列車で天井のほうまでガラスになっていて、山の景色が楽しめます。一時間半ほど乗りますが、途中で飲み物と軽食のサービスがあり飽きさせません。

また帰りの電車では、単線のために待ち合わせ時間があるので、乗務員がアルパカの製品を着てファッションショーをします。これは車内販売もしてなかなか商魂たくましいものです。

 マチュピチュ村は標高2000mでちょっとした町になっていて、そこからバスで30分、400mほど上がりあのマチュピチュに行くわけです。小奇麗なホテルと土産物屋があり、wifi対応のカフェも何軒かあります。一軒でカフェラテを飲みましたがとてもおいしかったです。

 空中都市と言われるマチュピチュですが、麓からはその姿がまるで見えないことからそう呼ばれるようです。アメリカの探検家ハイラム・ビンガムという人が1911年に発掘したといわれてますが、それより先にクスコのペルー人が見つけていたという説もあります。いずれにしろここに行くとまるでインディアナ・ジョーンズの世界で考古学の魅力がわかる気がします。本当に映画にしたくなるような謎に満ちている感じです。200戸ほどの家の周りには段々畑があり、ここで食物の栽培の実験をしていたのではと言われているそうです。

マチュピチュからはまた列車でウルバンバに戻りバスでクスコに行きます。途中で昼食を食べたレストランは味も良いし建物も庭も素晴らしく、日本のリゾートの高級レストランよりあらゆる点で上だと感じました。

 庭にはアルパカやリャマもいました。

 最後に民家で見た可愛い動物を。これはクイというそうですが家の中で飼っていて6か月で食べるそうです。もっとも高級なのでフランスなどへ輸出するのが主で家庭では特別な場合以外では食べないようです。大変おいしいという話です。

 次回はナスカとリマ、ブエノスアイレスについて書きます。