2011年購入株式その後(4)

 米国の景気は回復していることは間違いないようだが、NYの株価は一進一退を続けている。中東の政情不安からくる原油の高騰が影響しているのだと思うが、この半年上がり続けてきたことからくる調整の結果として足踏みをしているのかもしれない。こうした動きの中でも米国の株価は今後もしっかりした動きをする感じがするが、日本の株価はいかにも頼りない。企業業績は良いし、景気の指標も悪くはないようなのに、株価が上がってゆくという強い気配が感じられないのだ。海外の環境の影響や、外国人投資家の動き次第の、主体性のない相場のようだ。日本の投資家や証券会社などはここで株価を回復しようという強い意志を失っているように見える。まことに情けない態度で混迷の中で自信を失っているとしか思えない。
 もっともこの本質的な原因は政治、特に民主党のお粗末さによるのだと思う。政治主導の名のもとに行なおうとした様々な政策は、思いつきの域を出ないものばかりで、現実的に実施される妥当性が乏しいことがはっきりしてきた。国民の支持を失っているにもかかわらず政権にしがみつこうとする管総理が、説得力のない予算に反対する野党に対して国民のためにならない対応だと非難するのを見ると、この国は近いうちに致命的な状況に陥る恐れを感じる。こんな状況で経済だけが回復しろと言っても無理だと思う。自民党に愛想を尽かして民主党に任せたが事態は一層悪くなっている以上、選挙をしてやり直すしかないだろう。その際には政界再編をして新しい政治の動きが起こらないと、この政治への絶望感は減少しないと思う。
 
 従って日経平均の動きもぱっとしない。2月25日の後で若干回復をしているが動きは鈍い。

      1月5日  1月31日  2月18日  2月25日  3月9日

株価    10381   10238   10843   10527   10590
指数     100    98.6    104.5    101.4   102.0
 
 一方、1月5日に私が購入した株式の動きももう一つである。

         買値   2月2日    2月25日  3月9日  変化   変化率

日本コークス  165     179     157    160   -5    -3%   
住友金属    198     193     207    203   +5    +3%
パナソニック  1173    1126   1096    1087   -86   -8%
東京電力    1984    2013   2133    2143  +159   +8% 
東京ガス    360     363     369    362    +7    +1% 

 プラスになっているのが住友金属東京電力東京ガスで、それぞれ3%、8%、1%の上昇であるが、日本コークスとパナソニックが3%、8%の下落となっている。全体の金額(加重平均)では手数料前で0.1%のプラスで、購入時の手数料を考えると0.3%のマイナスである。日経平均に比べ劣っていて特にパナソニックのマイナスの影響が大きい。

 こうした状況でどうするのか。一つはじっと頭を下げて我慢するのである。頼りないとはいえ、相場の先行きが強含みの時はこれが堅く賢い選択だろう。わたしはどうしたかと言うとナンピン買いをした。下がっている日本コークスとパナソニックを最初の購入株数と同じ数だけ買い増しした。日本コークスを159円で、パナソニックを1086円で買った。今日の株価は上記のとおりなので、ナンピン買いの効果が出ているとはまだ言えない。今回の買い増しが正しい選択かどうかは今後の展開次第だ。

 ナンピン買いについては取得原価を下げる有効な方法であるが、大きく損をするリスクがあるとして避けるべきだという考え方もある。わたしは個人的にはこのナンピン買いが比較的好きな方だ。買った株については、割合我慢して長く持つことが多いのでナンピン買いが大体有効に働いている。しかし信用取引についてはナンピン買いをしない方が良い。それこそ大きなリスクを抱え込むことになる。現物でやっている限り、また対象の企業が大規模で安定的であるならば、ナンピン買いを一つの有効な選択肢として考えて良いと思う。第二四半期の全般的な株価の動きに注目したい。