株式市場 2016年のスタート

 東証の2016年は大幅値下げで始まり止まる気配がない。昨年末の日経平均は19033.7円だったが、1月4日に582円の下落をした。その後も激しく下がり、7日の終値は17767.3円と昨年末から4日間で1266円の下げとなった。今日現在(10:30am)では小幅な下げになっているがまだ全く予断を許さない。

 中国経済の成長鈍化による上海市場の株価急落が、日本を含む世界的な株価の下落につながったと言われているが、加えてサウジとイランの抗争激化、北朝鮮の水爆実験発表などがあって、世界規模の政情不安の影響で下落に歯止めがきかない状態となっていると思われる。株式のアナリストや企業経営者のほとんどが2016年には株価上昇が続き,21000円くらいには行くと予想していたが全く期待を裏切るスタートになった。

 多くの日本企業の業績は悪くないだろうから今年も株価は全般的に上がると考えるのは間違いではないと思う。高い技術力を持つ、あるいは経営の効率化を実現している(またはその両方を要素を持つ)企業の中には株価がもっと上がっても良いだろうと思われるのが少なくないからだ。しかしこうした考え方も海外の要因で簡単に壊されてしまう。中国経済の成長鈍化はシナリオに入っていたと思うが、サウジとイランの外交断絶や北朝鮮の水爆実験は経済への不安要因として想定されていただけで、株式市場への影響が明確に読み込まれていたわけではないだろう。

 こう考えると株式評論家やアナリストには厳しい時代になったと思う。経済以外の要因で株価が大きく変動してしまうわけで、世界と日本の経済の動きを見て適当な事を言ってどうにかなる時代ではない。しかし個人投資家にとっては良いことで、わたしがかねて言っている株価に関しては評論家やアナリストの言うことを信じるなということの大切さがより明確になってきたからだ。それにこう大きな変化が起こる時はやはり儲かるチャンスも大きい気がする。

 問題は流れをどう読むかと言うことだ。上述したように日本企業の業績は全般的に悪くないから日本企業の株価が上がる可能性は十分にあると思う。今の下落がどこで止まりいつから反転するかだが、もちろん全く正確に予測などできないから1週間程度のズレを許容範囲とすればチャンスは見つかると思う。わたし個人は昨年前半に一度かなりの株を売って整理したが夏にまた買い始めた。秋の下落の際で大幅な含み損を抱えたが12月初めにはかなり戻してこれからという時にこの下落で、所有株の評価も悪かった10月の時点まで下がってしまった。今日か来週中にもう少し買い増すかの判断をしようと思う。20000円までは戻るのを信じているからだ。