佐藤靖子ステップアップツアーで優勝、そして菅総理は・・・

 少し出かけて3時半ころに帰ってきてCSのスカイAを見たら女子ゴルフのステップアップツアーのプレーオフをやっていた。昼に見たときは9ホールが終わったくらいで上位のスコアは4アンダーがトップで競り合いの感じだった。佐藤靖子が前半でダブルボギーを打ち苦しい展開になっているとアナウンサーが紹介した時、それは2000年代半ばにレギュラーツアーで活躍していた佐藤靖子なのだろうかと思って見ていたが、当人のプレーを見てもマスクをしているので確信は持てなかった。すらっとした感じが似ているとは思ったがまさか下部ツアーでまだやっているのかと半信半疑だった。

 

 しかしプレーオフでアナウンサーがプロ22年での初優勝なるかなどと言っているのであの佐藤に間違いないと確信した。ただ佐藤はレギュラーツアーですでに勝利をしていたと思っていたわたしには、下部ツアーも含めて初優勝というのがちょっと意外だった。プレーオフ1ホール目で相手選手がボギーとなったのに対し、佐藤は長いバーディパットを決めて勝利を手にした。

 インタビューでプロをやめようと思ったこともあったが、続けてきてよかったと佐藤は語った。子供や周りのサポートがあるからここまでこれた、若い選手たちにママになっても選手としてやっていけることを見せていきたいと謙虚な口調で話す様は見ている側を感動させるものだった。決して雄弁ではないが自分が信じることを率直に話す姿が感動を与えるのだろう。これからはレギュラーツアーでも見ることがあるかもしれないと思うと応援を続けたい気持ちになった。

 

 それに比べ菅総理の話はなぜ面白くもなんともないのだろうか。自分の強い思いを語るというより、批判を恐れて当たり障りのないことを原稿を読みながら話すだけだからだ。強い思いがまるで伝わらない。多分ないのだろう。菅首相の関心はいかに政治的効果があるか、支持率や選挙にプラスになるかということで、そのために何かするように感じる。コロナのワクチンも、オリンピックも、携帯値下げも、二酸化炭素の削減もみんなそのための道具に見えてしまう。政治家だからポピュリズムに傾くのはある程度やむをえないが、それだけではまずいと思う。国際問題でも、国内でも難問山積で簡単に解決できないことは分かるが、総理の態度は正面から難題に取り組もうとするのではなく、難しいことは先送りにして、国民に受けそうなことを取り上げる姿勢はとても1国のリーダーとは思えない。そこには哲学や責任感が感じられず、上手く国民の目をそらして政権を維持することに汲々としているように見える。

 

 米国と中国の外交トップが話し合いをしたが、双方とも正面から自分の主張をぶつけ合っていて、その発言内容の是非はともかく迫力のあるやりあいになっていた。日本の政治家でここまで言える人材はいないと思う。もちろん日本は米中に比べれば軍事力も弱いし、国土も小さく、この2大国のような発言をするのは難しいと思う。しかし困難なことに正面から対処するのが政治家とくに総理の役目だろう。コロナが収まらず拡大していってもオリンピックはやるのか、止めるのはどういう状況の時かなど我々が知りたいことには触れず、開催するの一点張りだ。以前のブログでも書いたが太平洋戦争の時の幹部たちと何が違うのだろうか。東日本大震災から10年経っても原発をどうするのか、東京への1極集中をどうするのか真面目に議論しているようには見えない。携帯料金とこれらの問題を比べたらどちらが日本の将来にとって重要かは明らかなはずだ。この国は戦争に負けても変わらないのだろうか。暗い気持ちになるが、若い世代には物事に正面から取り組める優秀な人たちがいるはずだ。わたしはもう年寄りだが、そういう人たちがいたら何らかの方法で応援していきたいと思う。若い人たちが沢山選挙に出て、またみんなが投票してこの国を少しでも良いほうに向けて欲しいと心から願う。