コロナ禍での年末年始

 コロナが猛威を振るう中での初めての年末年始となった。といっても普段と違ったのは二組の子供家族が一堂に会せず、別々に来たことだ。両方とも川崎市に住んでいるので、帰省といっても遠い地方に行くのではなくちょっと帰るといった感じだ。娘家族は28日から30日までいて、息子家族は元旦から2日までいた。孫たちも来るのでにぎやかで楽しいのだが、普段二人きりの生活に慣れているとやはり疲れて、2日の夜に静かになった時はホッとして一仕事済んだ気分だった。

 

 他の点では例年と変わらないので、感染者数が最高になったというニュースで気分が沈みがちになることはあるが、のんびりと過ごした。足りなくなった食材を買いにスーパーに行った 他はテレビを見るか本を読んでいた。3日にはいつもの通り横浜CCで初打ちをした。無観客の紅白歌合戦もそれなりに面白かったし、女性歌手に歌唱力のある人がそろっていて紅組の勝利も当然の感じがした。スポーツは中々の好試合が多く楽しめた。特に井岡一翔田中恒成WBOスーパーフライ級のタイトルマッチは手に汗握る戦いだった。

 

 井岡は現チャンピオンだが、31歳という年齢と、2017年に一度引退したりしてピークを過ぎた感じがあった。一方の挑戦者の田中はやはりWBOのフライ級チャンピオンで、25歳で3階級制覇を達成したボクシング界のホープである。下馬評は田中優勢だったが、試合は井岡が2度のダウンを奪い8回TKOの圧勝となった。クリンチもなく正々堂々とした試合で見ていても気持ちよかった。井岡のテクニックとパンチ力には改めて驚いた。10月に井上尚弥がモロニーを倒してみせた強さも印象的だったが、試合そのものとしては井岡のほうがスリリングで面白かった。日本人の世界タイトル戦でこんなに印象に残るものは少ないと感じた。井岡の今後には注目だ。

   

  サッカーの天皇杯川崎フロンターレが順当に優勝した。フロンターレの力は明らかに抜きんでていて、3部のチームとして勝ち上がったブラウブリッツ秋田との準決勝などは、一昔前の日本のプロチームと英国のプロチームが戦っているような感じだった。フロンターレは個々の選手が優れている上に、チームとしての戦術やまとまりも秀でていた。

 箱根駅伝は青山学院が往路で下位に沈み創価大がトップになった。3日にゴルフ場で昼食をとっていた時に創価大が2位に3分以上の差をつけて最終走者にタスキを渡した。この差なら優勝は決まりだと思って午後のスタートに行き、プレーが終わりクラブハウスに帰ってみると駒澤大学が逆転優勝でびっくりした。スポーツは最後まで分からないとつくづく感じた。スポーツの魅力は凄いものだ。

 

 スポーツがいかに人々を感動させるかといっても今の状況でオリンピックをやるのが良いかは疑問だ。菅首相は1月4日に関東の一都三県に緊急事態宣言の発令を検討すると言ったが、その内容は効果がどれほどあるか首をかしげるものだった。医師たちが12月初めくらいから医療崩壊を防ぐために様々な提言をしてきたのに耳を貸さず、GOTOキャンペーンとの関連のエビデンスがないと主張して経済優先の姿勢を維持していたが、コロナ感染がひどくなりにっちもさっちもいかなくなると、やっと姿勢を転換した。状況判断が悪く、その結果政策の変更が遅くなるという最悪の事態である。同じことがオリンピックでも起こると、要するにぎりぎりまでやると言いつつ最後に中止の決定をすると、無駄な費用はかかるし、国の経済は落ち込むし、国際的な信用は失墜する。最悪のシナリオである。コロナが収まらないのにオリンピックを強行すれば国内にコロナを蔓延させるリスクが高まる。早めに中止か延期を決定するのがいいと思うのだが、そんなことは出来そうにない。

 状況判断が出来ず、早めの決断が出来ない人がリーダーでいると国はどうなるのか。菅首相が自ら辞める可能性は低いとなると、今回の状況を記録、記憶して将来への教訓とするしかないのかもしれない。