阪神逆転負け;監督の問題

日(7月11日)のDena戦で阪神が9回に逆転され負けた。60年来のファンとしては悔しいが、負けたこと以上に阪神の首脳陣とフロントが相変わらずお粗末なのにがっかりする。矢野監督の采配で問題だと思うのは主に2点だ。1つは作戦面で特にピッチャーの替え時で、もう一つは選手の起用法だ。

 

 ピッチャーの替え時でいうといつも後手後手だ。もう代えるしかないという状況になってやっと決断する。もっともこれはNPBの監督の大半に共通した問題で、ピッチャーの状態を見て代えることをやれたのは、わたしの感じでは野村と原くらいだと思う。先発投手が好投している場合の代え時はプロ野球の試合で最も難しい意思決定だろう。そして日本の監督は大体手遅れになり、米国の監督は100球ルールをベースに判断する。なぜ手遅れになるかは以前このブログで議論したので下記を参照してください。

 

fy-consul.hatenablog.com

 昨日の試合では好投していた西の代え時が問題だった。7回に伊藤に2塁打を打たれた後、代打の倉本は抑えたが次の大和にフォアボールを出した。ここでやっと交代をしたが、伊藤の打席の時に明らかに球威もコントロールも落ちていて、西も足が張ってつらそうな動作を繰り返していた。しかし矢野監督は大和にフォアボールを出すまで代えなかった。7回はじめから代えるべきだったし、素人が見ても伊藤に打たれたところが最後のタイミングだった。 その後登板した岩崎が後続打者を抑えたのでこの回は無失点だったが、結果が良かったからいいというものではないはずだ。早めに交代して無失点に抑えられたかどうかは分からないから、昨日の投手交代はあれでいいのだと考えていると、長いペナントレースではどこかで戦術に破綻をきたし負けが込むだろう。この10年くらい阪神の監督はみな同じで判断が遅い。状況を冷静に判断してベストの戦術をとる姿勢が乏しい。球団のフロントもそれでいいと思っているらしいのが驚きだ。優勝を狙うといいつつ使い勝手の良い人を監督に選び、良いチームを作るためには必要なことをフロントにも厳しく要求する監督は敬遠する。それが最近の成績に表れている。

 

 話を戻して矢野監督の2つ目の問題を論じよう。選手起用でいうとベテランを重用して若手、中堅を信用していないのかあまり使わない。使いたくても若手中堅が伸びてこないからベテランや外人選手に頼るしかないと言いたいのだろうが、若手中堅をうまく育てていないことが問題なのだ。具体的には何故福留や藤川を重要な局面で使うのだろうか?昨日も追加点のチャンスに福留が代打で起用されあえなく凡退したし、藤川は1点リードの9回に抑えで起用され見事にホームランを打たれた。素人が見てもこの二人の力の衰えは明白なのに、何かというとこうしたベテランに頼ろうとする。福留のスイングには昔の力がないし、藤川の直球は打ちごろのスピードだ。昨日も福留の代わりに北条、原口、陽川を使うべきだったし、抑えも藤川よりスアレスのほうがよほどいい。阪神には素質のある選手が控えにたくさんいる。前期の3人以外でも高山、中谷、伊藤隼太、江越などはどんどん使うべきだし、投手でも藤波、小野、斉木、高橋遥人などがいる。これらの選手は一時期良かったが最近は低迷している。うまく育てていないとしか言えないだろう。

 

 わたしがファンでいる60年間フロントのこうした体質は変わらないようだ。乱暴に言えば無能な連中が球団経営をしていて、彼らに選ばれた監督が愚かな采配をするということだ。フロントのダメ体質を急に変えるのは難しいとしても、監督の選任はマネジメントの能力があって中期的に選手を育てようという意欲を持った人を優先に行って欲しい。