コロナ後の世界;テレビはなぜ岡村発言を報じないのか

 コロナの猛威はまだおさまらないが、コロナ終息後の世界がどうなるかは重要な問題だ。政治、経済、文化などで大きな変化があるような気がするからだ。その変化は人間の考えや行動に影響を与えるはずだ。もしくは人間の考えが変化することで社会の仕組みの変化を引き起こすのかもしれない。わたしにはそんなに根源的なことはわからないが、もう少し身近な問題なら普通に考えている。例えば経済の停滞が株価やマンション価格に与える影響だ。手をこまねいているより何らかの予測に基づいた行動をとることで損を回避したり、利益を得ることが出来るかもしれないからだ。

 

 タレントの岡村隆史もラジオの番組でコロナ後の予測をした。彼は経済の停滞が性サービス産業へ与える影響について語った。これはおかしなことではないし、切り口によってはジャーナリスティックな分析になる可能性もある。しかし岡村は生活に困窮する女性が性産業に行く流れが加速し、その過程でこの業界に美人が増えると予測し、それを今から楽しみにしようと言ったそうだ。これは明らかにまずい。株が下がるとか高級マンションの価格が下がるとかの議論は物を対象にしたゲームだ。岡村の発言は女性を株とかマンションのように金で買えるモノと見ているからだ。それはコロナ後ではなく、過去も今も女性をモノとして見てきたから発せられる言葉だ。この発言には金と力で何事も解決しようとする政治家と同じ匂いがする。

 

 岡村隆史は一流タレントで有名で金持ちだ。別に風俗の女性を相手にしなくてもモテるのにと思ってしまうのだが。女性に飽きっぽいのなら次から次へと相手を変えればいいので(例えば元zozotown前澤友作氏のように)、なぜ風俗にこだわるのかよく分からない。わたしたちには分からない本人の内面的な問題があるのかもしれない。岡村のことはよく分からないが、女性をモノとして扱うことでやっと性的な満足を得られるという人もいるだろうから。しかしラジオで上記の発言はアウトだ。

 

 とても不思議に感じるのはテレビのワイドショーが全くこれに触れないことだ。コロナ問題では毎日のように情緒的な議論を繰り返しているのに(それも得意げな顔をして)、この問題を取り上げないのは理解できない。アベノマスクよりこのほうがはるかに悪質だし、欧米だったら大問題になっているはずだ。テレビ局や司会をするタレントたちが岡村隆史に忖度しているとしか思えない。みんなで渡れば怖くないといった調子で政治家や不倫タレントは糾弾するのに、女性を人として見ないような岡村には甘々だ。こんな姿勢で報道することに恥ずかしさはないのだろうか。