普通の人にとっての外出自粛

 家の隣の公園の駐車場に車が沢山停まっているのに驚いた。平日にこんなに車がいるのは珍しい。ましてや昨日安倍首相が緊急事態宣言を発して外出自粛を要請したばかりだ。何事かと思って公園に行くとすぐに状況がつかめた。潮干狩りに人が出ていたのだ。引き潮の日はアサリが取りやすいので人が沢山出る。外出自粛要請くそくらえといったところだ。下が公園の駐車場と海岸の様子。

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真ん中の写真の遠くに見えるのは八景島シーパラダイスで休業中だ。遊園地は休みでも庶民は楽しめるところや楽しみ方を知っている。

 

 安倍首相の要請にもかかわらず多くの人が出てしまうのはコロナ感染者防止の観点からはまずいのだろうが、わたしはこの人たちを非難する気にはならない。子供だってずっと家にいるより潮干狩りのほうが楽しいはずだ。コロナ感染者数の爆発を抑える必要があるのは理解できるが、今の自粛要請の内容が有効だとも思えないからだ。よく言われるのは3つの密を避けるということだ。要するに密閉した狭い空間に多くの人が集まるのを避けろと言うのだ。だからパチンコ、ナイトクラブ、カラオケ、その他の類似の状況におかれた場所の営業をやめたり、そこに行くのを禁止するのはよく分かる。しかし一律の外出自粛でどこにも行くなというのは本当に有効なのだろうか?

 

 潮干狩りで海岸に行くのが、通勤電車やバスで仕事に行くよりはるかに感染のリスクは低いのはだれが見ても明白だ。仕事だからと言って混んでいる公共交通手段での通勤を認め、人の密集などない公園に行くのを自粛させるのは無理がある。一般庶民はその怪しさが分かっているから平気で潮干狩りに来るのだ。庶民は自らの判断に基づいて自粛要請に対処していて、その感覚はあなどれない。本当に感染拡大を防ごうと思うなら、あいまいな要請をするより公共交通手段での通勤はやめるといった明確な指示を出すべきだ。電車やバスの通勤が認められるのは医療、警察、消防等の最低限必要な職種だけだ。そうした職種でも可能な限り車や自転車での通勤にすべきだ。これを前記の3つの密を避ける行動とともに行えば、明らかに感染防止の効果が高まる。そして密ではない場所への外出はある程度容認する。こうしたメリハリがないと一般庶民はついてこない。当然ながらこうした措置に対する保証は必要になるだろう。財政難はわかるがどうせ金を使うならこれもメリハリをつけて思い切ってやるほうが効果的だと思う。

 

 本当に感染爆発したら欧米のような外出禁止命令を出さない限り、感染者の増加を抑えることは無理だろう。死者がどんどん増えたら法律がどうのこうのなんて言ってられない。そうなる前に事態の悪化を食い止めようとするなら、自粛要請にしても実際的効果のある方法をとるべきだ。仕事とか経済とかの理由にこだわって、もっともリスクの高い通勤に対して毅然たる措置をとらないなら、穴の開いたざるのようなものだ。こうした時こそ政治家のリーダーシップが問われる。

 

 ホリエモンこと堀江貴文氏が今ゴルフ場に行けないから家で練習しているなどというやつはバカだと書いているが一理ある。車で行き、プレーするなら人と接触のリスクは小さい。経済が心配ならこうやって金を落とすのも大事かもしれないからだ。これを自粛するのが必要なら、すべてに対して外出禁止に近い要請(命令)を出すべきで、仕事なんかしている場合ではない。仕事のほとんどは不要不急ではないか。国会議員など胸に手を当てて考えてみるべきだ。