ひとり紅白歌合戦

 わたしのようなじじいは暇なのとテレビ世代なので、しょっちゅうTVサーフィン(こんな言葉があるかどうか知らないが)をしている。もちろん暇に任せてネットサーフィンもするのだが、これの危ないのは無駄なものが欲しくなることだ。着るものやゴルフ用品、ギター、果ては車まで買いそうになってしまう。その点TVサーフィンは安全だ。映った番組に引き込まれてもとられるのは時間だけで金の心配はない。もっともわたしのように先が短くなると時間の方が貴重なのかもしれないが。

 やたらチャンネルを変えて面白いのはないかと探すのだが、地上波は意外性が少ないので楽しみは少ない。一方BSやCSは色々さまよっていると思いがけない番組に遭遇する。WOWWOWやCSなどはしっかりした番組案内が送られてくるのでそれを参照して番組を選べばよいのだが、元々計画的にTVを見るのが嫌いなので番組案内などはほとんど見ない。また次も決まった時間に見なくてはいけない連続ドラマもまず見ない。ビデオに撮って見るなんてとんでもない。

 特に見たいものがないとゴルフ番組か映画をいい加減に見る。映画は途中から見たり本を読みながら見たりするのだが、中でもアクション映画は好きなので、筋がよく分からないままに最後まで見ることがある。ジェイソン・ステイサムの映画などは好きな俳優だけに思わず見てしまう。そんな中で出会ったのが、`ひとり紅白歌合戦`だ。12月2日に横浜のパシフィコで行われたのをWOWWOWプライムで12月25日に放送した。まるで事前知識がなかったので初めは桑田佳祐が何で古い曲を歌っているのだろう(チャンネルを合わせた時は坂本九の`涙くんさよなら`を歌っていた)と思ったが画面上の`ひとり紅白歌合戦`の文字を見てなんとなく合点がいった。

途中から参加した妻がネットで調べて55曲を歌い、午後10時45分までやると言った。(その時は7時半くらいだったと思う)これは長いなと思ったが桑田があらゆるジャンルの歌を歌い続けるのに引き込まれて最後まで見てしまった。よくこんなに沢山の曲を歌えるなあと感心しつつ、桑田が本当に音楽好きなのが伝わって来て嬉しい気分になった。どの曲も一生懸命歌い、4時間近く見るものを飽きさせないのはまさにプロなのだが、歌唱力も大したものだと思った。どの歌も素晴らしいが、個人的には女性歌手(紅白なので男と女を交互にやる)の曲が印象に残った。

 黛ジュンの`雲にのりたい`、ちあきなおみ`雨に濡れた慕情`、弘田三枝子`人形の家’、一青窈`ハナミズキ`、松任谷由実`真夏の夜の夢’、'かみひこうき’、青江三奈伊勢佐木町ブルース’などだ。といっても男性歌手のものもとても良いのだ。要するに全部素晴らしいよということ。正月にまたWOWWOWで放送するらしい。

 あとで調べたら`ひとり紅白歌合戦`はエイズ撲滅のチャリティコンサートで今回で3度目とのことだ。2008年、2013年にやったそうなので5年毎に行い今回が最後だという。桑田ファンなら知っていたことなのだろうがまるで知識のなかったわたしには、とても新鮮で印象付けられた。食道がんに罹ったことがあるというが、55曲を一人で歌い上げた体力と根性にも感動した。本当の紅白歌合戦の大トリもつとめるそうだから楽しみだ。

 ということで今年最後のブログも音楽関連でした。今年はブログをさぼってあまり書かなかったのを反省しているが来年はきちっと書くかどうか自分でもよく分からないのが困る。ゴルフとギターと旅行は続けるだろう。年はとっても今より少しでも上手くなりたいという気持ちは持っていたいから。南澤大介の教本`ソロギターのしらべ'には`ボヘミアン・ラプソディ`が入っているのでこれにも挑戦したい。来年も平和であるといいと心から思う。