これはまずいだろう

 これはまずいだろうと思うのは最近の暑さだ。年を取ってくるとこの暑さは本当に堪えるし何かをしようという気持ちが薄れる。今回の豪雨で被害を受けた地域の方々は本当に大変だと思う。かと言って暑さ凌ぎに雨を願うのは、次の災害につながりかねないのでまずいし、天気のことはコントロール出来ないので悩ましい。それでも数多くの人たちがボランティアで片付けの助けに行ったり、水上バイクを使って洪水で逃げ遅れた人を100以上も救助した青年のことをニュースで見ると、心が軽くなりほっとした気持ちになる。

 それに引き換えトランプ大統領の無責任で恥知らずな発言には情けない気持ちにさせられる。自分の目先の利益だけが重要で、真実とか正義とか公平を軽んじる人がリーダーで良いのだろうか。日本の国会でも参院の定数増加が決まったが今の国の財政状況で国民の納得が得られるものではない。どうも政治家たちが激しく劣化しているような気がする。今世界は大きな転換期を迎えている気がするのだが、哲学や知性のない政治家がリーダーになる傾向があるようだ。転換期をいろんな面で感じるが、その中でも民主主義の存在が危うくなっていると感じる。民主主義の難しい面、プロセスに手間と時間がかかる、その中で大衆受けを狙う分かりやすい(哲学がない)人がリーダーに選ばれるといったマイナス面が目立ってきている。各国のリーダーを見ても極端で危うい人が増えている。手っ取り早く何か成果を期待する大衆がそんな人たちを求めているようだ。民主主義は厄介な制度だが、わたし達はそれを上回る制度を見つけていない。民主主義を定着させるまでに要した努力と手間をかけてもこの制度を維持しようとする政治家がいなくなりつつあるようだ。これは本当にまずいだろうと思わざるを得ない。
 
 翻って我が身を見るとこれがまるで怠惰だ。あらゆることへの怒りが減ってきて自分のことで手一杯な感じだ。相変わらずゴルフをして、ギターを弾いて、散歩をして後はテレビを見る。夕食では酒を飲むが量はめっきり減った。あとどれだけ生きられるか分からないのにこれはまずいだろうと考えるが、何か社会的なことを精力的に行う気持ちが乏しい。ボランティアなど出来そうもないので多少の寄付をして応援するくらいだ。といってもゴルフはもう少し上手くなりたいし、ギターももっと弾けるようになりたい。こうした気持ちがなくなったらいよいよお終いだと思うので下手なりに頑張る。横浜CCのハンディキャップが19に下げられたままなので16くらいまで行きたいし、ギターは新しい教本、南澤大介の「ソロギターの調べ」にチャレンジしたい。ボトルネック奏法もやってみたいと思う。下手で進歩は遅くても少しずつは上手くなっている感じがするからだ。上手く弾けなかった曲が少しまともに弾けるようになり、音も良くなってきたりするとモチベーションが上がる。人はいつも何か目標が必要なのだ。これはそう簡単ではないから会社ではモチベーション向上のためにインセンティブなどを併用する。やりがいとか達成感は重要だがそれだけでは上手くいかないのだ。会社で重要な仕事をしている人たちはご苦労なことだ。自分が10年前までそんなことをしていたなんて信じられない。

 そんなことを思うとユーティリティクラブを買い替えようとか、エレアコ(アンプにつなげるアコースティック・ギター)を買おうかと考えてしまうのだが、妻に下手なのに道具ばかり増やすなと言われそう(言われそうではなく間違いなく言われる)で、またそれが間違ったコメントではないのでやめておこうかと考える。老人は戦うのが嫌なのだ。オールド・テロリストにはなれそうもない。