2017年の第1週

 2017年の株価は大幅上昇で始まった。1月4日は前年の大納会終値を480円上回る、19,594円で引けた。その後2日続けて下落したが、1月6日の終値は19,454円で前年末よりまだ340円高い水準にある。今後どうなるかはまだ分からないが1月中はこのレベルを維持か少し上昇するのではないか。

 1年前と比べると大きな違いだ。2016年の幕開けは前年末比580円を超す下落だったのだ。その後も大幅な下落は続き1月12日の終値は17,219円と前年末比1815円下がってしまった。2015年上半期に利益確定のため持ち株をかなり整理したわたしは、より一層の上昇を期待して下半期にまた買い始めていたので、2016年初頭のこの連続下落はかなりこたえた。その後も難平買いをして所得コストを下げてはきたが大幅な赤字だったので今回の株価上昇には救われたと言ってよい。

 その意味ではトランプ様様だがトランプへの不快感は根強いので、今回の上昇は効率経営への努力を続けてきた日本企業の価値が再認識され、本来の株価レベルに戻ったと考えるようにしている。要するにトランプの大統領戦の勝利はそのきっかけだというわけだ。最近の彼の言動を見ていてもこれでいいのかという気がする。メキシコに工場を建てるというフォードやトヨタに特別な関税をかけると威嚇するなど、大統領が一企業の行動にこれだけ露骨に口出しをすることの弊害が分かっていないように感じる。個別の企業活動には敏感に反応するが、大きな目で経済全体を見るということが出来ないようなのが心配だ。

 トランプは新政権の要職の多くに経済人を起用しようとしている。彼らは個別の出来事の損得勘定には鋭い感覚を持ってはいるが、広い視野で中長期的に自国や世界全体の経済の状況を判断することは得意ではないと思う。一私企業を経営するようなやり方で政治の決定を行うとすると、経済だけではなく国際関係でも大きな混乱を起こすリスクが高いのではないか。だから今の株高に喜んでばかりはいられないのだ。いつ何があってもうまく乗り切れるようにしておかなくてはならない。日経平均20,000円、対ドルレート120円あたりでひとまず距離をおくべきだとと思っている。

 政治や経済のことは退職者にはもうそれほどの関心事ではないが、新年早々の錦織と松山の活躍には目を見張ってしまう。今日これから錦織のブリズベン国際の決勝があり、明日の朝には松山のSBSトーナメント・オブ・チャンピオンズの最終日が行われる。どちらかが勝つかまたは二人とも勝つ可能性は高いと思う。今年もこの二人からは目が離せない。