Wonderful World

安倍総理真珠湾を訪れオバマ大統領と共に、太平洋戦争での熾烈な戦いを経て発展した日米の関係を評価し、今後も維持することの重要性を訴えた。この訪問および安倍首相のスピーチの内容についてはいろいろな評価があるだろうが、それでもポジティブにとらえたほうが良いと思う。民進党がこれに対して何と言うか興味深いところだが、彼らが政権を取っている時にこれをやりたかったところだろうが安倍首相にやられてしまった。

 安倍首相は中々戦略的で民進党がやりたいだろうなと思われることを先にやることが多い。これでは民進党はますます落ち目になっていくとしか考えられない。蓮舫党首の力量ももう一つのようで次の選挙での大敗は避けられないようだ。それにしてもオバマ大統領のスピーチは相変わらず格調が高くてわたしは好感を持った。マッチョ体質の米国民には弱腰と言われるのかもしれないが、トランプに比べるとやはり教養の差は歴然で、上に立つ政治家としてどちらが優れているかと言えば答えははっきりしていると思う。トランプ政権への期待からレームダック化しているとも言えるオバマだが、やはり捨てがたい人材だと思った。

 今日の話題はそんなことではなく音楽の話だ。車でゴルフや小旅行に行くことが多いので車で音楽を聴くことが多い。最近は車で一度CDをかけるとHDDやマイクロSDに記録、保存されるので、昔のようにいちいちCDをセットしないで済むようになり、ドライブ中に音楽を聴く環境は大幅に改善した。何を聴くかというとロックやフォークを含むポピュラーがほとんどだ。洋楽と邦楽両方だが、年のせいで古い曲が多いのは避けられない。昔レコードで持っていた歌手のCDを買って録音することが普通だ。特に昔の歌手のCDがベストアルバムのようになって安く売られていることが多いのでこれを利用する。

 レコード屋(もうレコードなんて売っていないのにわたしの世代にはぴったりくる言葉だ)でも、普通のCD売り場の他に奥の棚やワゴンに入っている安いCDを必ずチェックする。ビリー・ジョエルキャロル・キングなどとても安く買ったし、他にもジャズ、レゲエなど凄く安く売っている。特に1000円くらいのものは思わず買ってしまうことが多い。元々あまり知らないジャンルの音楽なども気楽に手が出せるのが良いところだ。そんな一つに'Golden Oldies, Soul'というのがある。これが中々面白い。

 そんなに特別な音楽ファンではなかったわたしは特にソウル・ミュージックなどにはあまり関心はなかった。ソウルの歌手でポピュラーの世界でもメジャーになった人たち、レイ・チャールス、ベン・E・キング、ティナ・ターナー、スープリームズやその他の有名歌手は知っていたが、その知識は微々たるものだった。このCDには60年代あたりに流行った14曲が入っていて'Stand by Me'など6曲は知っていたが、今回初めて聴いた曲がすごく良いのだ。その中でも気に入ったのがパーシー・スレッジの'男が女を愛する時'(When a Man Loves a Woman)、ブルック・ベントンの'雨のジョージア'(Rainy Night in Georgia)、サム・クックの'ワンダフル・ワールド'(Wonderful World)の3曲だ。もっともこれらの曲はとても有名らしくて多くの人気歌手がカバーしていたり、映画の挿入歌に使われているので、単にわたしがこの方面に疎かっただけなのだが。

 この3曲はそれぞれ素晴らしく甲乙つけがたいのだが、ここでは最後の'ワンダフル・ワールド'を紹介したい。これを聞く前はサム・クックという歌手があのルイ・アームストロングで有名なワンダフル・ワールドをカバーしているのだと思い込んでいたわたしは、まったく違う曲にとても驚いた。さらにその軽快なリズムとメロディ、楽しい歌詞にすっかり魅せられた。メロディのほうは聴いてもらうしかないのだが、詩のほうは伝えられるので導入部分を紹介したい。Don't know much about history (歴史のことなど大して知らない)
Don't know much about biology (生物学もあまり知らない)
Don't know much about a science book (科学の本だってあまり知らない)
Don't know much about the French I took (学校で習ったフランス語だってよく知らないんだ)
But I do know that I love you  (だけど君を愛していることは知っている)
And I know that if you love me too (君も僕のことを愛しているなら)
What a wonderful world this would be (この世界はどんなに素敵だろうということも知っているのさ)

 これが軽快なメロディに乗って流れると思わず歌いだしたくなる。50年以上前の曲なのにまったく古さを感じさせない。Youtubeで聴けるので、前の二曲と合わせてぜひどうぞ。