トランプ大統領;2017年の株価

 予想を完全に覆してトランプが次期大統領に決まったのは11月8日のことである。その時多くの人は信じられないことが起こったと驚き混乱し、日経平均は900円を超えた下落をし16251円になった。トランプ勝利などありえないと考えていた人々は悪夢の始まりだと思ったはずだ。わたしもそうだった。しかし翌日には日経平均が1000円を超えて反発し、その後も上昇を続け11月21日には終値で18000円を回復した。12月12日には終値で19155円となっている。そうなると人は現金なものでトランプへの嫌悪や彼の政治手法への懸念など忘れて、この後も円安が続き株価は上昇し続けると思い始めている。トランプも選挙戦で言ったような極端な政策はとらないだろうという見方をして納得しているのだ。

 わたしも持ち株の評価が上がって一息ついており、 今後もこの調子で株価が上昇することを望んでいるが、一方でそんなわけはないという感覚がある。正直に言えばそれほど遠くない時期に大幅な下落をするという気がする。そもそも選挙に勝つためには無責任ともいえるような公約をして、勝ってからは現実的な観点から公約とは異なる政策を取るといったやり方を容認してよいのだろうかという気がぬぐえない。そんなやり方で大統領になった人物を信用する気にはならないのだ。これはきっと多くの人が持っている気持ちだと思う。だから今のようにご祝儀相場が続いている時は良いが、何かをきっかけにしてトランプ大統領への不信が広がり、株価が大幅な下落をするリスクを感じる。安全策を取るなら12月中に株の多くを売った方が良いと思っている。大量に持っていて株価の低迷で現時点で大きな損失を出している株は、今後それほど下落をするとは思えないからまだ保有しようと思うが、それ以外の株はいったん整理して身軽になったほうが良いだろうと感じている。

 だから来年の株価についてもそれほど楽観的にはなれない。株式評論家たちの中には23000円まで行くなどとはやしているのもいるが、信用できない。悩ましいのはそれが絶対あり得ないとは言えないところだが、来年の株式へのスタンスは距離を置いた付き合い方をして、いつでも逃げ出せるような投資方法を取ろうと思っている。いわばヒット・アンド・アウェイ作戦だ。為替については全くの素人でよく分からないのだが、少し前までは米ドルを買い増そうと考えていたが最近はその気持ちもなくなった。このままドル高(円安)が続くとは思えなくなってきたからだ。これは株以上にどんな動きになるか予想がつかない気がする。国際関係で新たな緊張が起こりそうな気配もあるし、世界が新たな混乱の時代に入ったようにも感じるので投資でリスクを取る気にはなれない。もっともこんな時だからこそ強気で行って大儲けする可能性もあるとは思うのだが、それはすっからかんになることを恐れない人にしかできないだろう。